パニック障害だと運転免許は取り消しになってしまう?更新や取得することはできるの?
発作がとくに頻繁に起こるという場合には、自主的に運転を控えるという方も多いでしょう。そのあたりに明確なルールなどはあるのでしょうか。
生活や仕事でなくてはならないことも多い運転免許とパニック障害の関係について解説します。
パニック障害だけど運転免許は大丈夫?
まず、事実としてパニック障害の方でも運転免許を取得して日常的に車の運転をしている方は大勢いらっしゃいます。
道路交通法が改正されて、一般的には「病気を持っていると更新できないのでは?」という認識が広まりました。てんかんなどの意識障害を伴う病気の方が事故を起こしたことが相次いだための改正です。
それから、「質問票」というシステムが導入されて運転免許の取得・更新の時に
- 過去5年間の意識障害の有無
- 過去5年間に体がコントロールできなくなったことがあるかどうか
- 過去5年間に睡眠をとったにもかかわらず昼間活動中に眠り込んだことが週三回以上あったかどうか
- アルコールの過剰摂取に関する質問
- 医師から運転を控えるように言われているかどうか
という質問に答えることが義務化されました。この質問票はうその内容を書くことは法的に禁止されています。うその申告をすると罰せられますので、確実に本当のことを申告するのが大切です。
ちなみに、一定の病気がある場合には運転適性相談窓口というところで相談することができます。この一定の病気というものにパニック障害は実は明確には含まれていません。
例として記載があるのが、統合失調症と躁うつ病です。しかし、こちらも車の運転に必要な「認知・判断・予測・操作」に支障のない病状の方もたくさんいますよね。その場合には、即運転免許取り消しや停止ということはありません。
つまり、パニック障害でも普通に運転できて、具合が悪くなりそうになったら安全なところに停止できるというような行動ができる人であれば、運転しても問題がないということになります。
参考:ウォーキングをすることでパニック障害に対する劇的な良い効果とは?
健康な人でも突然事故を起こすことがあります。パニック障害の人でもそれは同じですし、安全運転をしなければいけないということに変わりはありません。法的には規制されていませんが、自分で危ないと思うようなら運転をしないという判断が賢明でしょう。
取り消し・更新できなかった事例は?
パニック障害が直接の原因になって運転免許が取り消しになったり、更新ができなったという事例はあまりありません。
しかし、パニック障害を持っていてももし点数が免停になるところまで減点されたりすればもちろん免許停止になりますし、最悪の場合取り消しになることはありえます。ここは病気を持っていても持っていなくても変わりません。
ただ、自主的に「もし人を傷つけてしまったら怖い」と思って更新をためらわれる方もいます。行列に並ぶこと、講義を受ける閉鎖空間が怖いということで更新が難しいと感じる場合もあるようです。
むしろ、法的なことよりもこの「講習を受けることが難しい」・「試験場や警察署まで行くことが難しい」と感じる人が多く、それによって免許の更新が難しくなっているというところにパニック障害の人の免許更新の問題点があります。
参考:インフルエンザの予防注射はパニック障害でも受けて大丈夫?献血は?
パニック障害でも医師に相談して問題がなければ、免許が突然取り消しになったり、勝手に更新を断られるということはありません。まずは、医師に車の運転をしていいか相談するのが一番です。
これから免許を取りたいときには?
まず、医師に相談するのが先決です。医師は病状について冷静にみてくれています。その医師の判断にゆだねましょう。
パニック障害を抱えていても、多くの人が安全運転をしていて、発作に対応するすべを身に付けているというのも事実です。なかなか降りられない高速道路は避けたりなど、自分なりに工夫している方がたくさんいます。
しかし、これから取得するとなるとまだ運転技術が未熟な中で自身の病気にも対応しなければならなくなります。運転免許を取得すれば、それは運転者の義務になってきます。
不安が強い場合には、そのことも医師にしっかりと相談してくださいね。
まとめ
パニック障害であっても、運転免許を取得・更新することは可能です。
パニック障害が分かったからといって突然一方的に免許を取り消しにされたり、停止にされるということはありません。
しかし、例外として安全運転に支障をきたすような症状がある場合は医師の判断で運転をやめるように言われることもあります。その場合には、運転出来なくなる可能性もあります。
車の運転は昨今の世の中では必須ともいえるものですが、もし事故を起こしてしまうと自分も相手の方の人生も狂いかねません。もし、不安がある場合は医師に相談し、今後免許をどうしていくのかしっかりと考える必要がありそうです。