最近、よく耳にするようになった統合失調症。珍しい病気ではないものの、目立つ病気でもなく、認知度が高くありません。症状や具体例はどんな感じなのでしょうか。
「統合失調症という病気を聞いたことはあるけど、症状や具体例はよく知らないしわからない」
そういう人は少なくないと思います。誰でも自分にとって身近ではない病気については詳しくないものです。
統合失調症は精神的な病気なので、もともとあまり知られていないんですね。以前は精神分裂病と言われていたこの病気、実は今、100人に1人が患っていると言われています。症状や具体例を知っておけば、いざという時に役立つでしょう。
統合失調症の症状って?
統合失調症の症状は、有名なところでいうと「幻聴」「幻視」「妄想」です。このあたりの症状なら聞いたことがあるかもしれませんね。
統合失調症の症状は他にもたくさんありますが、実は“陽性”と“陰性”によって違いがあるんです。そのため症状の具体例も、その人の統合失調症がどちらなのかによって変わってきます。
陽性や陰性と言っても難しいことはありません。陽性は攻撃的で目立つ症状、陰性は自閉的で目立たない症状、と考えるとわかりやすいでしょう。
- 陽性の症状
幻覚、幻聴、妄想、思考障害、自我意識の障害、行動異常など、主にこういった症状が出てきますので、本人だけでなく第三者も症状を認識できますね。
- 陰性の症状
感情の平板化、思考貧困、自閉、意欲の低下、疲れやすくなるなど、これらが陰性の症状です。
統合失調症の陰性とうつ病は症状が似ているため気をつけなければなりません。まったく違う病気なのですが症状が似ていることで本人や周りの人たちが勘違いしてしまいやすいのです。間違えないようにするためには、きちんと症状や具体例を知っておく必要がありますね。
統合失調症の症状の具体例を知りたい!
統合失調症の症状を言われてもなかなかピンと来ないと思います。それではさらに深く掘り下げて具体例を見ていきましょう。
陽性の場合、自分自身を“被害者”として認識するケースが多いですね。例えば「誰かに監視されている」「誰かに操られている」「今、考えていることがすべて外に漏れてしまっている」などです。
監視はストーカー被害が実在することを考えると絶対にあり得ない話ではありませんが、あとの2つは現実的に考えられません。
それでも本人は「絶対にそうだ」と信じて疑わず、症状がひどくなると周りの人間に攻撃的な態度を取ったりもするんですね。「いつも私のことを見ているだろう!」「私のことを操っているだろう!」と問い質してしまうんです。
幻聴も、よくある「携帯電話が鳴った気がした」とはまったく違います。具体例を挙げると「馬鹿野郎」「死ね」「殺してやる」など、罵ったり批判したりする声が聞こえてくる、ですね。
幻聴以外では実際にあるはずのないものを見てしまう幻視、あるはずのないにおいを感じる幻嗅、触っても触られていないのに感覚がある幻触、といった症状も出てきます。
次に、陰性の症状の具体例も見ていきましょう。感情の平板化というのは要するに喜怒哀楽がなくなってしまうことです。無感情になり、笑ったり怒ったり泣いたりすることがなくなります。
意欲の低下は文字通りの意味ですね。自分から「なにかをしよう!」という気力が一切失われていきます。働いたり趣味を楽しんだりすることだけではなく、お風呂に入ったり着替えたりなど日常生活に対する意欲も失われていくんですよ。
思考貧困は、わかりやすく言うと「頭が回らなくなる」といった感じです。言葉がすぐに出てこなくなったり言葉を理解できなくなったりしますね。そのためどんどん無口になっていき、他の誰かとの交流を避けて心を閉ざしていくんです。
どうしてそんな症状が起こるの?理由は?
統合失調症の症状や具体例を見てみると、恐ろしい病気だというのがわかりました。では、どうしてこんなことが起こってしまうのでしょうか?
理由は“脳の中で感情や考えていることをまとめられなくなる”からなんですね。まとめることを「統合」と言い、それができなくなるため「統合失調」と呼ばれています。
症状は脳のどこが悪くなるのか、によって変わってきます。人間は脳の指令がなければ手足も動かせませんし、見たり聞いたりといった行動もできませんよね。脳に異常が起きるってすごく大変なことなんですよ。
まとめ
統合失調症はそれほど認知度が高くなく、症状や具体例も広く知れ渡っていません。しかし実際に統合失調症で悩んでいる人はたくさんいるんです。100人に1人、決して少ない数字ではありませんよね。
これを機に、統合失調症への理解を深めていってはどうでしょうか。多くの人が統合失調症を理解すれば、治療がしやすい世の中になっていきますよ。