子供の精神分裂病はあり得ない話ではありません。
そうなってしまった場合、治療法や過ごし方はどうすれば良いのでしょうか。何科にかかるのか、治療法は大人と同じなのか。
今回は子供の精神分裂病について知識を深めていきましょう。
子供の精神分裂病、その原因とは?
子供の精神分裂病の原因の多くは家庭環境に多くあると言われています。
精神分裂病と言われると恐ろしく感じるかもしれませんが、これは今で言う「統合失調症」です。日本では徐々に精神的な病気への理解が深まってきていますから、どこかで耳にしたことがあるのではないでしょうか?
2002年から精神分裂病から名前が変わって統合失調症と呼ばれるようになったので、まだ精神分裂病という名前の方が記憶に残っている人もいらっしゃると思います。どちらも同じ精神的な病気です。
精神分裂病と呼ばれている頃は不治の病と考えられていましたが、統合失調症に名前が変わってからは治る病気として広く知れ渡っています。統合失調症の主な原因と発症するきっかけは過剰なストレスと言われています。大人の病気として考えられがちですが、子供でも発症する可能性があるんですよ。
では、どんな家庭環境が良くないのか。
1つめは子供に厳しすぎる家庭、2つめは子供に甘すぎる家庭です。勉強や塾や習い事など、子供にとって自由がほとんどない家庭環境は良くありません。もちろん子供に暴力を振るったり暴言を投げかけたりするのも子供は強い負担を感じるので統合失調手の原因になり得ます。
両親が子供に対して攻撃的だったり強く束縛していたりすると子供は自分の意見を言えなくなってしまい、両親に反抗心を抱いていくようになるんですね。それもまた統合失調症を招くんです。
次は甘すぎる家庭について。叱ったり怒ったりせず子供を甘やかしてばかりいると、子供の精神面がどんどん弱くなっていくんですね。そうすると些細な挫折やストレスが、ものすごく大きな挫折やストレスになってしまします。
本来ならさほど痛くない傷が、甘やかしすぎて弱くなることで、病んでしまうほど痛い傷になる、ということです。
両親の離婚や不仲が統合失調症の原因になり得ることも…。子供にとって家庭環境はとても大きな問題なんですね。
子供の精神分裂病の治療法は?どうやって過ごせば良い?
子供の精神分裂病(統合失調症)の治療法は大人と少々違う点があります。
統合失調症の疑いが出てきたら、まずは経過観察から始めます。大人の場合は急に発生する傾向があるのですが、子供の場合は前兆が長いんです。統合失調症ではなく自閉症や多動性障害などの発達障害の可能性も捨てきれないため、きちんと診断するために経過観察をしなければなりません。
統合失調症だと診断されたら投薬治療が始まります。このあたりは大人と同じですね。薬の力で回復してきたらカウンセリングやリハビリを受けていつも通りの生活に戻れるよう訓練していきます。統合失調症の治療は子供でも大人でもそれほど大きな違いはありません。
あとは規則正しい生活と栄養バランスの整った食事ですね。睡眠時間もたっぷりとれるようにしてあげましょう。統合失調症になると自分のことを自分でできなくなることもあります。その場合は周りが積極的にサポートしていくんです。
しかし子供となると心に引っ掛かるのが学校の存在。統合失調症の子供の多くは不登校から始まるため、学校に行かれなくなる子が多いんです。
病状によっては入院治療をすることで、数ヵ月程度の休学をしてから復学することも可能です。最近は相談員のいる学校も増えてきていますし、しっかり話し合ってから学校へ行くようにすれば安心できますね。
子供の精神分裂病の前兆とは?
子供の精神分裂病(統合失調症)において大切なのは早期発見です。大人と違って前兆が長く、また「子供にありがちなこと」と勘違いしてしまいがちなので見逃しやすいんですね。
先ほどもお話した通り、統合失調症の子供は多くが不登校から始まります。学校に行きたくないと言い始めたら子供の様子を注意して見てあげて下さい。幻覚や幻聴を訴えたりはしていませんか?チック症や、やたらと落ち着きのない行動が見受けられたりはしていませんか?
子供の統合失調症は早くて10歳前後から発症すると言われています。統合失調症の可能性があるかも…と思ったら、精神科か心療内科を受診して下さい。子供でも精神的な病気を発症した場合は精神科もしくは心療内科で治療をします。
診断を受けると不安な気持ちでいっぱいになってしまうかもしれません。ですが、統合失調症は治る病気ですから、しっかり子供と向き合って、学校やお医者さんと相談しながら治療をしていきましょう。
まとめ
子供の精神分裂病、今は統合失調症と呼ばれている精神的な病気。
薬、そしてカウンセリングやリハビリの力で治していけますから、焦ってはいけません。子供はとても敏感ですからお母さんやお父さんの不安な気持ちを察知して、子供まで不安になってしまいます。
例え不登校になったとしても過ごし方は大きく変えないであげましょう。普段はいつもと同じようにして、かつ治療に専念していくのが理想的です。どっしりと構えて、子供を受け止めてあげて下さいね。