統合失調症にとって良い食べ物と悪い食べ物があります。良い食生活を心がければ症状の改善も期待できますね。
でも、悪い食生活だと症状が悪化するかもしれません。
良い予後を送るためにも、前向きに治療していくためにも、日頃の食べ物には気を使いましょう。食事は人間を形成すると言っても過言ではないほど大切なものなんですよ。
統合失調症に良い食べ物とは?
統合失調症を改善するためにはセロトニンを増やす手助けをしてくれる食べ物がオススメです。セロトニンは脳内伝達物質の1つで、気持ちを落ち着かせてくれたり意欲を高めてくれる働きをします。
統合失調症の患者さんはドーパミンが過剰に分泌されてセロトニンが減少している傾向にあるので、食べ物の力で増やしてあげるんですね。
セロトニン自体を含む食べ物はないため“増やす手助けをするもの”を食べていきます。そこで摂取したいのがトリプトファンとビタミンB6です。
トリプトファンは大豆製品や乳製品に含まれており、カツオやマグロ、牛肉にも入っているんですね。牛肉にはビタミンB6も含まれていますから、積極的に食べていきましょう。
そして、なにより大切なのは「1日3回の食事をとること」です。統合失調症になるとどうしても食生活が疎かになってしまいがち。食事が1日2回になってしまったり時間帯がバラバラだったり…。
そうすると不規則な食生活になって、体に良くありません。朝、昼、晩、と時間を決めて1日3回、しっかり食べることが大事なんです。
もちろん栄養バランスにも気を使って下さいね。統合失調症の人によく見受けられるのが、栄養不足や腸内環境が悪いのが原因で、薬が効きづらくなっている、というケースです。
栄養不足は栄養バランスの整った食事をすれば改善できます。腸内環境を良くするためにはヨーグルトが最適ですね。乳酸菌が善玉菌を増やしてくれますから、腸内環境が良くなるんですよ。
統合失調症に悪い食べ物とは?
統合失調症に良い食べ物もあれば悪い食べ物もあります。
それは「ドーパミンを増やす食べ物」です。ドーパミンを増やすのは「チロシン」という非必須アミノ酸。
統合失調症の患者さんはドーパミンが過剰に分泌されてしまっていますから、ドーパミンが増える食べ物をたくさん口にしてしまったら大変です。もちろん「絶対口にしてはいけない!」というわけではなく「いっぱい食べるのはやめておきましょう」というだけなので、無理やり避ける必要はありませんよ。
では、どんな食べ物にチロシンが含まれているんでしょうか?
もっとも含有量が多いのは、なんと「かつおぶし」。少々意外な食べ物が出てきましたね。かつおぶしは単体で食べることがほとんどありませんから、それほど心配する必要はないでしょう。
高野豆腐、チーズ類、きな粉にもチロシンが入っています。もっとも気をつけなければいけないのは「かつおぶし」をはじめ「高野豆腐」と「小麦たんぱく」ですね。この3つは非常にチロシンが多いので、食べ過ぎないようにしましょう。
また、体に刺激を与える“辛い食べ物”もドーパミンも増やすと言われています。激辛料理などはあまり食べないようにしておいた方が安心です。チロシンが含まれているのではなく、刺激そのものがドーパミンを増やすきっかけになってしまいます。
食べ物だけじゃない?飲み物にも要注意!
統合失調症に良い食べ物と悪い食べ物がわかりましたね。ですが、気をつけなければいけないのは食べ物だけじゃないんです。飲み物にも統合失調症にとって悪いものがあります。
それは「カフェイン」。カフェインは体に刺激を与えるので、ドーパミンが増えてしまうんですよ。コーヒーが好きな人にとってはつらいかもしれませんが、飲み過ぎないようにしましょう。さらに、カフェインは紅茶にも多く含まれていますから紅茶も飲み過ぎないようにして下さいね。
それから「アルコール」。統合失調症の急性期は特にアルコールを飲まないよう気をつけて下さい。アルコールが症状を悪化させてしまうんですね。
さらにアルコールは薬の作用を高めるという恐れもあります。統合失調症の薬を飲んでいる間は避けた方が無難なんです。どうしても飲みたい時は安定期に入ってから、薬を飲む時間と大幅にずらして楽しむようにしましょう。
まとめ
統合失調症に良い食べ物は「セロトニンを増やす手助けをするもの」。
反対に悪い食べ物は「ドーパミンを増やす手助けをするもの、増やしてしまうもの」です。セロトニンにはドーパミンを抑制する力があると言われていますから、ポイントはどれだけトリプトファンやビタミンB6を摂取していくか、ですね。
食生活が改善すれば統合失調症も改善していきます。1日3回の体に良い食事を心がけて薬なしの生活を目指しましょう。