統合失調症と家庭環境を切り離して考えることはできません。育て方や周りの対応が発症のきっかけを作ってしまうからなんです。実際、家庭に問題のある患者さんもいます。
あなたの家庭は大丈夫でしょうか?近頃になってよく目や耳にするようになった“統合失調症”。「うちは大丈夫だろうか…」と悩んでいる人も少なくないでしょう。
統合失調症にならない理想的な家庭を築くためには、原因やきっかけを取り除いていけば良いんです。
統合失調症は家庭環境が原因になる?きっかけは?
統合失調症を発症させる大きなきっかけは“過剰なストレス”です。多くの患者さんがなにかしらの問題を抱え、ストレスを溜め込んでいます。ストレスの多い家庭環境で育ってきた子供は統合失調症になりやすいと言えるでしょう。
子供と大人では感じるストレスの種類が違います。まだ育ちきっていない子供は、大人とまったく違うところに不安や苛立ちを感じているんですね。良くないと言われている家庭環境が大きく分けて「2つ」あります。
1つめは「厳しい教育」。
安定した将来を送ってほしいという気持ちから厳しい教育をしているのではないでしょうか?勉強ばかりで遊ぶ時間を作らなかったり、学校の後は必ず塾に行かなければならなかったり…。そのために友達と遊ぶ時間もなく、家の中でもテレビを見たりとくつろいだりする時間もない。
人間は常に束縛されている状態にストレスを感じます。このような生活を送っていては365日24時間束縛されているようなもので、また、子供にとって両親が絶対的な存在となっているために自分の意見を言えなくなります。両親に対して批判的や反抗的な気持ちを抱いても外に放出できないままですので、ストレスは溜まっていくばかりです。
2つめは「甘やかしているばかりの教育」。
叱らなければいけない時に叱らず、風邪をひいたら“手厚すぎる”看病をする…。子供の問題はすべて両親が解決し、子供は後ろで控えているだけ。
そうしていれば確かに子供を守ることができるかもしれませんが、子供の精神は弱くなっていくばかりです。精神が弱い=ストレスを感じやすい=ほんの少しのことでも不安になったり挫折をする、ということ。こういった家庭環境でも統合失調症になりやすくなってしまうんですよ。
どんな家庭環境が理想的?防ぐためには?
統合失調症にならないために、させないためには家庭環境を整えましょう。
先ほどお話した厳しい教育や甘やかしすぎる教育は避けます。いわゆる飴と鞭の使い分け、です。叱る時は叱り、褒める時は褒め、子供とちゃんと向かい合って生活していく。
両親の不仲や離婚などといった問題も子供は敏感に察知しますから、そのあたりにも注意が必要です。真剣に会話をして子供の気持ちを聞いてあげることも大切ですね。
もちろん“自分自身でできる予防”もあります。統合失調症の患者さんに多いのが「インターネットのヘビーユーザー」です。今はインターネットが普及して、買い物や情報交換など便利な世の中になりました。
ですが、インターネットにのめり込んでいると統合失調症を引き起こしやすくなるんです。使ってはいけない、というわけではありません。
例えば頻繁に自分の考えを投稿したり、中毒になるほどSNSに入り浸ったり、嘘か本当かわからない情報を集めて振り回されないようにします。一番簡単なのはインターネットの利用時間を減らすことと、SNSを利用しないこと、ですね。
今やインターネットも家庭環境の一部です。使い方を見直しても良いでしょう。
統合失調症本人の前で家庭環境の話をしてはいけない?良い対応とは?
家族が統合失調症になってしまったら、家庭環境の話を本人にしてはいけません。
- 「育て方が悪かったんだ、ごめんね」
- 「私たち両親のせいだ。こんなことになってかわいそうに」
- 「もっと気を配っていてあげれば良かった。家庭環境が良くなかったんだ」
このような言葉は統合失調症の症状を悪くし、進行させていきます。心の中に家庭環境のせいかも…という思いがあっても口には出さないようにして下さいね。
どうやったら統合失調症が治るか。病気を理解して一緒に治していこうという姿勢が本人を安心させるんです。
まとめ
統合失調症と家庭環境には大きな繋がりがあったんです。
家族全員で笑って暮らしていくためにも家庭環境は大事にしていきたいですね。会話を通してお互いがお互いのことを理解し、しっかり足並みを揃えて暮らしていきましょう。
そして、インターネットには注意して下さい。今は使いやすいSNSが増えているため、楽しいあまりヘビーユーザーになりがちです。スマートフォンのおかげでインターネットも利用しやすくなっていますね。だからこそ、いろんな危険が潜んでいるんです。
家庭環境は変えられます。今からでも遅くはありません。食卓をみんなで囲んだり、いっぱい話し合ったりして、絆のある家庭を築いていきましょう。