梅雨になるとうつ病が悪化する、これは気のせいではありません。ちゃんとした原因があって、対処法も考えられています。
梅雨のうつ病の悪化は予防することができるんです。
今回は梅雨とうつ病の関係、それから対処法についてお話していきます。
梅雨になるとうつ病が悪化するのはなぜ?
まずは日照時間。梅雨は雨の日が続くので太陽の光に浴びる時間も少なくなります。これが一番大きな問題であると言っても過言ではありませんね。
太陽の光は人間にとって必要不可欠なものなんです。朝、起きてすぐ太陽の光を浴びると気持ち良く起きれますよね。これは体が“太陽が出たから朝だ”と判断しているためなんです。
それからもうひとつ、太陽の光にはセロトニンの分泌量を増やす効果があります。神経伝達物質の1つであるセロトニンは人間の精神に大きく関係してくるんですよ。穏やかな気持ちにさせたり意欲を向上させたりする働きを持っています。
日照時間が減って太陽の光に当たる時間が減る=セロトニンも減る。そうするとイライラしやすくなったり落ち込んだりやる気がなくなったりします。
梅雨どきの激しい寒暖差もいけませんね。朝と夜はものすごく冷えて、昼間は暑い。誰でも経験したことがあるこの状況を“寒暖差”と言います。
人間は暑いと汗をかいて自力で体温を下げようとしますよね。そこからわかるように、人間の体は自力で体温をコントロールできるんです。ですが寒暖差が激しいとコントロールがうまくできなくなってしまうので、体調不良を引き起こします。また、寒暖差はストレスとなり自律神経の乱れも招くんです。
さらに低気圧もいけません。低気圧では空気中の酸素濃度が薄くなるので、体が酸素不足になってしまうんです。酸素が足りないのですからいろいろな不調が起こりますし、疲れやすくもなります。
最後に湿度。梅雨になると湿度計が100%を指すことも珍しくはないでしょう。人間にとって快適な湿度は40~50%なので、かなり不快に感じます。するとこの不快感がストレスになり、どんどん溜まっていくんです。
このように、梅雨には体にとって良くない要素がたくさんあるんですね。
うつ病を悪化させずに梅雨を過ごす方法とは?
うつ病を悪化させずに梅雨を過ごすためにはセロトニンを増やすこと。
参考:寝坊する原因は実はうつ病だった?本人も気づかないその病とは・・・
雲っていたり雨が降っていたりしても、太陽の光がゼロというわけではありません。できるだけ外に出て日光浴をするようにして下さい。
晴れの日は日光が100,000ルクスあるのに対し、曇りですと日光は10,000ルクス、雨の場合は2,000ルクスになります。2,000にまで下がってしまいますがゼロよりは全然良いですよね。
あとは食事です。セロトニンが増える食事を心がけることで、穏やかな気持ちを保てます。
注意していただきたいのは“セロトニンそのものを含む食べ物はない”ということ。“食べ物からセロトニンの材料を摂取して増やしやすくする”のが目的なんですね。トリプトファン、ビタミンB6が材料になります。
カツオや高野豆腐にトリプトファンが多く、ニンニクやバジルにビタミンB6が多く含まれています。トリプトファンなら他にはアーモンド、牛乳、バナナ、牛肉、ヨーグルトもオススメですね。ビタミンB6だとマグロ、牛肉、イワシも良いとされています。牛肉はトリプトファンとビタミンB6、どちらの視点から見てもオススメということですね。
可能なら軽い運動をしてみるのも良いでしょう。外での運動が難しいなら、昇降運動、スクワット、ラジオ体操など屋内でできるストレッチでもOKです。血圧が上がって血行も良くなるので、頭がスッキリしてきます。
健常者でも梅雨は憂欝になる?
梅雨どきにはうつ病が悪化しやすいと言われていますが、実は健常者でもこの時期になると憂欝な気分になるんです。
梅雨にだけうつ病の状態になる、これを「季節性うつ病」と呼びます。特になにかあったわけでもないのに意欲が低下したりやる気がなくなったり気分が落ち込んだりと、うつ病によく似た症状が出てくるんですね。人によっては過食になったり過眠になったりもするほど。
季節性うつ病は女性に多く、梅雨以外でも秋や冬に起こることがあります。この場合もできるだけ太陽の光を浴びるようにしたり、食生活を気を付けることで対処できますので試してみましょう。
まとめ
梅雨とうつ病には深い関係があったのですね。日本に住んでいる以上、梅雨は避けて通れない道です。
曇りの日や雨の日でも外へ出たり、牛肉をいつもより多めに食べたりしてしっかり対策をしていきましょう。家の中にこもりがちになると運動不足にもなりやすいので気をつけて下さいね。
梅雨に来るうつ病の悪化は、生活を工夫すれば防ぐことができるんです。そうすれば雨が降り続けても快適に過ごせるようになりますよ。