自律神経失調症の自覚症状はどのようなものなのでしょうか?
よく女性がなりやすいといわれているのは本当?男性もなるものなの?など素朴な疑問にお答えします。疑問を解決してご自身の体調改善に役立ててくださいね。
自律神経失調症の代表的な症状は?
自律神経失調症というのは、決まった症状があるという訳ではありません。不定愁訴(ふていしゅうそ)といって、どことなく体調がすぐれないという状態が続く人がとても多いのが特徴です。
しかも、精神的な病気が原因で不定愁訴になる場合もありますし、精神的な病気が自律神経の正常な働きを阻害する原因となっている場合もあります。反対に、肉体的な疾患が原因で自律神経失調症でよくみられる症状が出る場合もあり、自分で判断することのとても難しい病気でもあるのです。
ここでは、自律神経の問題が疑われる場合にありがちな症状をピックアップしていきます。
- 頭が痛い・重い
- 吐き気がする
- 食欲がない
- 眠れない
- めまいや立ちくらみがある
- 血圧が不安定
- 手足などが自分の意志とは関係なく震える
- 体がだるく疲れやすい
- 味がわかりにくくなった
- 過呼吸になってしまう
- 原因の分からない微熱が続く
身体的な症状では、このような症状が出るという人が多いのですが、いくつか当てはまる場合がほとんどです。体の色々なところに症状が出るので、「何となく調子が悪い」と感じたり、「一体何の病気になってしまったのだろう」と不安になる人もいます。
また、精神的な症状が出ることもあります。
- ちょっとしたことでイライラする
- 情緒が不安定になりがち
- やる気が出ない
- なぜか不安感を感じる
- 被害妄想的な考えになってしまう
このように自律神経に問題があると、心身ともに調子が悪いというような状態になってしまうのです。
男性と女性ではどちらがなりやすい?
一般的には今まで「自律神経失調症は女性に多い病気」というイメージがありました。
確かに、男女比で言うと女性の方が多いでしょう。しかし、男性であれば自律神経失調症にならないということはありません。どうして女性の方が多いのかというと、女性は一生のうちでホルモンバランスが崩れやすい時期が男性に比べて多いからともいえるでしょう。
毎月の排卵→月経のサイクル、妊娠や出産、授乳、そして中年以降に訪れる閉経などで女性の体の中のホルモンバランスは劇的に変化します。
自律神経は脳の視床下部という場所でコントロールされているのですが、ここはホルモン分泌にも関係している場所です。そのため、ホルモンバランスが乱れると同時に自律神経の働きも不安定になってしまうことがあるのです。
ですが、男性もホルモンバランスが乱れるということがないわけではありません。そして、ホルモンバランスが乱れると自律神経失調症の症状が現れることがあります。男性ならではの原因というものはどのようなものなのでしょうか?
男性が自律神経失調症になりやすくなる要因は?
話が少し変わりますが、「男の更年期」という言葉が最近よく聞かれるようになりました。女性の更年期は、閉経周辺の時期に起こる心身の不調ということですが、男性も中年以降にこのような症状が現れることがあるということです。
このようなタイミングで男性も男性ホルモンの減少に伴って自律神経失調症になりやすくなる場合があります。そして、男性に限ったことではありませんが自律神経失調症の大きな原因としてストレスと生活習慣の問題があります。
職場のストレスや家庭での問題、そして飲酒や喫煙・不規則な生活習慣なども自律神経の働きを乱す要因になってしまうのです。生活環境が大きく変わるなどのタイミングも自律神経の調子が乱れやすい時期になります。
もちろん、遺伝などもともとの体質により自律神経の働きが乱れやすい人もいます。同じ生活をしたからといって誰もが自律神経の働きが乱れてしまうということはありません。
しかし、ストレスと生活習慣が大きく関係していることはよく知られています。ストレスや生活習慣の乱れに心当たりのある男性はとくに注意が必要ですね。
一人で悩まず、まずは受診を!
ひとつひとつはちょっとした不調でも、体の色々なところや気持ちの面でも不調が出てくるのがこの病気の特徴です。
仕事に熱心な男性の場合は特に「ちょっとしたことでは仕事は休めない」とか「この程度のことで具合が悪いというのは甘えだ」などと考えて自分に厳しくしがちな方が多いものです。
でも、自律神経失調症だと思ったらその陰に別の病気が隠れていたということもあります。不調が続くようなら、早めに病院を受診し異常がないか検査をして対策をしましょう。
そして、自律神経の調子をくずしてしまうことは恥ずかしいことではありませんし、誰でも起こりうることです。ぜひ「何となく調子が悪い」期間が続くときはお医者さんで相談するのをおすすめします。