統合失調症の幻聴が治らない時にどうするべきなのか。これは患者さん本人も周囲の人も知っておいた方が良いですね。対処法がなさそうに見えますが、ちゃんとあるんですよ。
統合失調症になってしまったら、とにかくまずは病院に行って下さい。以前は不治の病と言われていましたが今は違います。
統合失調症は治る病気。病院に行ってしっかりと治療を受けることが大切です。
精神科にはあまり行きたくないという気持ちもわかりますが治すためには必要なこと。今回は病院で治療を受けているのに幻聴が治らない、というのを前提にお話ししていきます。
統合失調症で幻聴が治らないことってあるの?
統合失調法を治すために病院へ行って薬を飲んでいるにも関わらず、幻聴が治らないことはあるのか。答えは「ある」です。
実際に「薬を飲んでいても幻聴が治らない」と悩んでいる人はいらっしゃいます。インターネットにも数々の相談が投稿されているほどなんですよ。統合失調症は難しい病気です。薬を飲んだからといって万事解決するわけではないということですね。
どのような幻聴が聞こえるのかと言うと、今まで聞こえていた幻聴と“変わらない”状態になります。だから薬を飲んだのに相変わらず幻聴が続いている、幻聴が治らない、そういうふうになってしまうんです。幻聴だけが続いていると考えるとイメージを掴みやすいかもしれませんね。
症状を抑えるにはどうすれば良いの?
統合失調症の幻聴が治らないのであれば、患者さん本人は「無視」という対処法を試してみて下さい。
幻聴が治らないと感じているのなら幻聴を自覚していることになりますね。幻聴を自覚していれば「無視」の対処法が使えます。
聞こえてきた声に対し「信じない」「返事をしない」ようにするんです。統合失調症の幻聴にもいろいろな種類がありますね。
1つめは対話性幻聴と呼ばれている症状です。これは自分以外の誰かが複数人で会話をしている、という幻聴になります。しかもその会話の内容は統合失調症である患者さん本人を侮辱するものであったり批判するものであったりするので、聞いているとすごくつらくなってしまうんですよ。
こういった症状が現れたら「信じない」ようにして下さい。これは幻聴なんだ、と「信じない」を決め込むんです。もし話しかけられても返事をしないで、知らんぷりをすると良いですよ。
2つめは命令性幻聴です。「ナイフで腹を刺せ」とか「屋上から飛び降りろ」とか、命令する幻聴が聞こえる症状です。統合失調症の患者さんが自傷する話を聞いたことはありませんか?それはこういった幻聴が聞こえていて従ってしまうからなんです。ですのでこれも幻聴だから…と信じないで知らんぷりしてしまいましょう。
主な幻聴の症状はこの2つですね。他には自分の声がリアルに聞こえたり、人の声ではなく扉が閉まる物音などが聞こえたりすることもあります。それらも“知らんぷり”で大丈夫です。
幻聴が治らない場合、症状を抑えるには「信じない」「会話しない」「無視する」といった知らんぷりが一番なんですね。
周りの人がしてあげられることってあるの?
統合失調症の薬を飲んでも幻聴が治らない。幻聴だけが続いている、という患者さんが周りにいる人はどうすれば良いのでしょうか。患者さん本人だけでなく周りの人にも“できること”があります。
もし統合失調症の患者さんが周りにいて、しかも幻聴が治らないことに悩んでいるなら「私は味方だよ」と伝えてあげて下さい。
「気のせい」「そんなわけない」「ただの幻聴だ」というように、患者さんを否定するようなことを言ってはいけません。とにかく自分がいるから安心だ、大丈夫だ、と伝えてあげるのです。
ポイントは“幻聴にはあまり触れず、会話には出さないこと”。「自分は統合失調症の患者さんの味方だから平気だ」、と話してあげれば良いのです。
ある意味ではお化けを怖がる子供に対する対応と似ているかもしれません。「お化けなんていない!」と言われるよりも「お母さん(お父さん)がいるから怖くないよ、大丈夫だよ」と言ってあげると子供は安心しますよね。
周りの人は患者さんが言っていることが幻聴だとわかっていますから、なかなか難しいかもしれません。ですが幻聴を否定しては統合失調症が悪化してしまいますから、頑張って“正しい切り返し”を覚えておきましょう。
まとめ
統合失調症の幻聴が治らない、これは実際にあることなんです。幻聴が治らないで悩んでいる人もいますから、自分だけかも…とあまり気に病まないで下さいね。
そして周りの人も「そういうこともあるんだ」と理解をする必要があります。統合失調症を治すのに薬は必要なもの。
しかし薬といえど万能薬ではないですから、そういったケースも視野に入れて心構えをしておくと、もしそうなった場合に慌てずに対応できますよ。