子供の自律神経失調症ってどんな風になるの?原因はどんなもの?
大人の病気だと思われがちな自律神経失調症ですが、子供でも自律神経のバランスを崩してしまうケースが増えてきました。
心と体にやさしい無理のない治し方、大人との違いなどお子さんが自律神経失調症かもしれないと思ったときに読みたい情報をまとめました。
子供の自律神経失調症の原因・症状は?
大人の病気だと思われてきた自律神経失調症。最近では子供にも増えているといわれています。では、どうして最近子供の自律神経失調症が増えているのでしょうか?
まず、一つ目は自律神経失調症という状態が広く認知されてきたことにもあります。昔なら子供が「朝が辛い」とか「疲れやすい」などと言っても「怠けている」の一言で終わらせてしまうということも少なくありませんでした。
しかし、現在では自律神経の調子が乱れて「疲れやすさ」を感じたり、「朝起きるのが辛い」という症状があることが認知されてきています。それで、「子供が自律神経失調症かもしれない」と気が付くことが増えてきたのも、子供の自律神経失調症が増えているといわれている要因でしょう。
もう一つは、子供でもストレスを感じやすい環境や生活習慣の変化が挙げられます。
自己評価が低い子供の場合、劣等感や不安感からストレスを感じやすくなります。そして、小さいころから夜型の生活になってしまっている子供も増え、一年を通して冷暖房などで常に快適な気温に体が慣れてしまっているというのも自律神経の調子を乱しやすい原因となっています。
では、子供の自律神経失調症はどのように症状として現れるのでしょうか?
- 椅子から立った時にふらつく・立ちくらみがする
- 朝礼など長く立っている時に貧血で倒れてしまう
- 走ったり運動しても上手く汗がかけない
- 夜なかなか眠れない
- 朝起きるのが辛い
- 疲れやすい
- 快適な気温のはずなのに、暑い・寒いと感じる
- 食欲がない
実は、大人の自律神経失調症の症状とあまり大きくは変わりません。ただ、子供の場合、症状をうまく言葉で表現できない場合がよくあります。お子さんの様子がいつもと違うことになるべく早く気が付いてあげることが大切です。
もし、お子さんが朝なかなか起きられなかったとしたらその時に「さぼっている」と決めつけるのは少し心配な考え方です。
もしかしたら自律神経失調症ではなく、本当に「さぼりたい」気持ちなのかもしれませんが、お子さんがもし「さぼりたい」という気持ちになってしまうのも理由があるはずです。
「さぼりたい」気持ちになってしまうということは、心・体・生活習慣などに何か無理があるのかもしれません。辛そうなら休ませて少し様子をみて、お子さんにつきあってあげてくださいね。
参考:【自律神経失調症】仕事を辞めたい!辞めるにはどうすれば良い?
お子さんに理由を問い詰めたりしないで、「ゆっくり休んでね」と安心感を与えてあげてください。安心感を与えてあげると、もし心でも体でも辛いことがあれば話してくれるはずです。
治し方はどうするの?どれくらいで治る?
まず、治し方を考えるとき、心と体と生活習慣をセットに考えて改善していきましょう。
子供でも心にストレスを感じていることはよくあります。兄弟やお友達と自分を比べてしまったり、勉強のこと、学校のことなど悩みを抱えてしまうことはよくあることです。
たいていの場合、それは体に現れないでそのうちに解決していくのですが、自分に自信を失ってしまい心が傷ついた状態になってしまうと体の不調としてそれが現れたり、大人と同じように体が常に緊張状態になることにより、自律神経に不調が出てきます。
そんな子供の心のケアに何よりも大切なのは、「存在をそのまま受け入れ、認めること」。
大げさな表現に感じるかもしれませんが、子供でもやはり無意識的に「自己評価」というものをしています。ついつい、子供には勉強でもスポーツでも頑張ってほしいと思うのが親心ですし、できればできたで「もっと上を!」と思ってしまいがちです。
それは悪いことではないのですが、なるべく「頑張ってね」よりも「頑張ってるね」と声をかけてあげてください。特に心が疲れていそうなときほど、結果だけでなく頑張っている何気ない日常をほめてあげてくださいね。
ほめることがないと思ってしまうかもしれませんが、ちょっと食器を片付けてくれたときなどに「ありがとう」と一言言ってあげるだけでも実はお子さんの心に響くものですよ。
では、体の問題ですが、なるべく栄養バランスに気を付けた食事を心がけてください。
野菜類が苦手なお子さんも多いのですが、お肉と一緒にスープにしたり、ハンバーグにみじん切りの野菜を多めに入れたりすれば意外とすんなり食べてくれることが多いですから、ぜひお試しください。
もし、食欲がないようなら無理強いせずに食べられるようになるまで水分補給にだけは気を付けて見守りましょう。体重が極端に落ちていそうなら、早めに小児科か心療内科を受診することをおすすめします。
最後に生活習慣です。
まずは、夜型生活になっていないか改めてチェックし、そうであれば夜型生活の原因を取り除いていきます。
夜型生活の原因になりそうなものは、大人と同じでテレビ・ゲーム・スマホなどが多いです。まったくやってはいけないということはなく、それはかえってストレスになってしまいます。
自分で予定を立てるように促して、自主的に時間を決めてもらうのがベストです。また、大人がずっとスマホばかりしていたり、テレビを見続けているのでは子供ばかり注意されて不公平感を感じてしまう可能性もあります。
大人もちょっとだけ子供の生活習慣の改善のために、テレビ・ゲーム・スマホの時間を減らすなど協力してあげてくださいね。
この心と体・生活習慣を少しずつ改善していけば、早ければ数週間で体調が整ってくる可能性が高くなります。できれば、保健室の先生や病院などの専門家に相談しながら症状の改善をはかりましょう。
まとめ
子供の自律神経失調症も多くの場合、大人と同じくストレスや生活習慣の乱れが大きく関わっています。
お子さんが疲れやすかったり、特に理由が見当たらないのに朝起きるのを渋ったりしたら要注意です。
そんな時に心がけたい治し方は、じっくりお子さんの話を否定せずに聞き、なるべく食べやすい栄養バランスのよい食事を心がけること。
同時に夜型生活から朝型生活に家族でシフトチェンジしていければ理想的です。
そうすると子供の自律神経失調症もしだいに改善していきますので、焦らずにひとつずつ改善していきましょう。