パニック障害の夫に疲れた、という奥さんは少なくありません。女性も毎日、仕事や家事・育児などやることがたくさんあっていっぱいいっぱいになってしまうことも。
そんな時に夫がパニック障害に。繰り返す発作やそれに伴う行動の変化に戸惑っていませんか?
夫にも自分にも優しい接し方で、夫をサポートしながらまた楽しい日々を取り戻しましょう。
パニック障害の夫、男性でもこの病気に?
一般的にパニック障害は世界的に見ると男性よりも女性の方が患者さんの多い病気です。欧米では女性が男性のほぼ2倍だという調査結果があります。しかし、日本においては男女比はあまり変わりません。
ですから、男性である夫がパニック障害になるということは十分にあり得えますし、特に珍しいことではないのです。ちなみに、発症する年齢で一番多いのが30歳前後という調査結果もあります。
しかし、パニック障害は意外と見逃されやすい病気であり続けています。パニック障害の症状が出ているのにも関わらず、2年後や3年後にやっとパニック障害の治療を始められたという方も少なくないのです。
よくパニック障害は心臓神経症や不安神経症、そして自律神経の問題であると捉えられてしまうことがあります。そのため、なかなかパニック障害そのものの治療が始められないという問題があるのです。
働き盛りである20代後半から30代前半に発症することが多いパニック障害。発作によって生活や仕事に支障が出るということも十分に考えられます。特に夫が家計の中の主な収入を得ているという家庭の場合、そのことで経済的な負担が大きくなるということもあるでしょう。
適切な治療を受けないとパニック障害は長引いてしまうこともよくあります。根気のいる病気であり、治ったと思ったらまた発作が起きるという辛い状態に陥ってしまうこともありますが、適切に早めの対処ができれば、仕事を続けていくことや復帰することも可能です。
参考:パニック障害のこと親や友人に言えない。他の人はどうしてる?
もしかしたら夫がパニック障害かもしれないと思ったら、ぜひ早めの対処を一緒に考えてくださいね。そして、現在治療中だという場合には「時間がかかることもあるが、治る」と信じて治療に協力していきましょう。
疲れた、という奥さんは多い?
協力していかなくてはならない、といっても、正直なところ夫がパニック障害になって疲れたという奥さんは少なくありません。
その理由としては、
- 色々な相談ごとをしづらくなった
- 家事や育児などの協力が得づらくなった
- 病気について分からないことが多い
- 本人の自分に対する態度が変わった
- 経済的に苦しくなった
などが挙げられます。具合が悪そうなことが多いとなかなか家庭の様々な問題を一緒に話し合うという感じではなくなってしまうかもしれませんね。それに、今まで分担してもらっていた部分をすべて奥さんが賄わなければいけないという事態も出てきたりします。
また、パニック障害の症状やご本人が感じている辛さはなかなか経験しないと分からないものです。発作がないときに普通に元気そうにしていることで「本当に病気なのだろうか」と思ってしまうご家族もいるでしょう。
そして、働き盛りの夫がパニック障害になってしまうことで今まで専業主婦であった人が働くことになったり、働いていた人も勤務時間を増やしたり、別のパートなども追加したりと負担が増えるということもあり、経済面でも負担が増えるということがあります。
このように夫がパニック障害になったことによって「疲れた」と感じる奥さんは少なくないのです。つまり、自分だけが疲れたと感じているというふうに考える必要はありません。
参考:【パニック障害】息苦しいことが多い時の原因や対処法とは?
そもそも、辛さ・疲れたなどの感情などは本人にしかわからないもの。「他人の方が大変だから我慢しなくては」と思わなくて大丈夫です。疲れたと感じるときは、その状態をありのままに自分で自分の感情を受け止めてあげてくださいね。
接し方はどうしたらいい?
パニック障害を経験した男性やその家族の方の体験から、接し方について考えてみましょう。
基本的には、今まで通りに普通に接してほしいという方がほとんどです。もし、今まで夫につらく当たることが多かった場合などはこの限りではありませんが、普通に接していたのなら、そのまま変わらずにすることが本人の気持ちの安定にもつながります。
そして、病状や辛さ・気持ちなど気になることは多いかもしれません。でも、話したくなさそうなのに無理に聞き出すのはいけません。男性は概してプライドが高い場合が多く、聞き出されることによって情けない気持ちになってしまい不安を強くしてしまうかもしれないからです。
本人の許可があれば、病院の診察に一緒に行ったり、途中から入らせてもらい主治医と話すことも大切です。
夫と主治医と一緒に話し合い
- 最初から一緒に診察室に入る
- 途中から一緒に診察室に入る
- 途中で奥さんだけ主治医と話す時間をもらう
など、どのように診察の際に関わっていくのか考えてみてください。夫も主治医とだけでないと話しづらいことがあるかもしれませんし、反対に最初から一緒にいた方が気が楽という人もいたりと、人によってどのように家族が関わるのがベストかということが違うからです。
また、病気について知識を持っておくのはとても大切です。しかし、自分の判断であまりアドバイスしすぎないようにしましょう。治療に関しては主治医に任せて、生活をサポートする、不安が大きくならないように普段通り接するのが一番大切なポイントかもしれません。
まとめ
パニック障害に夫がなってしまい、疲れたと感じる奥さんは少なくありません。
こんな悩みは自分だけかもしれない、と悩みすぎないでくださいね。
接し方の基本は「今までと変わらないこと」。つい、いろいろアドバイスしたくなったりするものですが、そこは抑えて生活全般をサポートするのにとどめましょう。
本人の許可を得たうえで主治医と話をするのも効果的です。長い闘いにもなることがあるこの病気ですが、家族のサポートが患者さんを安心させるということは忘れないでくださいね。