自律神経失調症で仕事を辞めたいと思うのは珍しいことなのでしょうか?
仕事が体調不良のために思うようにできずに、かえってストレスが溜まり悪循環になって悩んでいる人も少なくありません。
また、症状がつらくなってしまい療養に専念したい、というときに知りたいスムーズに仕事を辞める方法などもまとめました。
自律神経失調症で仕事を辞めたいってよくあること?
自律神経失調症は長いこと、なかなか周囲の理解が得られにくいものでした。家族の理解が得られたとしても、職場というとなかなか難しいのでは?と悩んでしまう人も少なくありません。
でも、自律神経失調症を積極的に治したい、またはあまりにも症状が辛くて外で働くのが今は難しいと感じている場合、仕事を辞めたいと思ったり、休職したいと思ったりすることもあるでしょう。自律神経失調症で仕事を辞めたいというのはよくあることなのでしょうか?
自律神経失調症では、体や精神面など不快な症状が全身にあらわれます。そして、その症状は仕事に支障を与えそうなものも少なくありません。
例えば、
- イライラがひどく、仕事に集中できない
- 睡眠が取れないため頭がぼーっとしてミスが増える
- 勤務中にお腹がしょっちゅう痛くなる
- めまいや吐き気が酷いので仕事をしていて抜けなくてはならなくなり困る
- 休んでも疲れが取れず、朝出社するのが非常につらい
こんな風に仕事に影響が出てきます。そして、それを周りの人にカバーしてもらわなければならない状況になることもあり、それが精神的負担になる場合もあるのです。
また、自律神経失調症はよくストレスとの関係が指摘されています。ストレスによって自律神経のバランスが崩れてしまい、不快な症状が出てくるという考え方です。
そのため、真面目で責任感を感じやすいタイプの方や周囲の人の気持ちに敏感な方がよく自律神経の調子を崩してしまうという傾向もあります。
この場合、自分の体調不良のために職場や関係先に迷惑をかけていると感じてしまい、仕事を続けることがストレスになり、調子もますます悪くなるという悪循環になる場合もあるのです。
仕事を一時的にしても辞める、という決断にはとても勇気がいるでしょう。しかし、自律神経失調症を長引かせているとさらに具体が悪くなったり、ついにはうつ状態になってしまったりなど重症化してしまう心配もあります。
今勇気を持って仕事を辞めたり、休んだりという選択をすることによって長期的に見れば、仕事をしていない期間を短くすることが可能になる場合もあります。
とはいえ、経済状況などの兼ね合いもありますので、病院のソーシャルワーカーに相談するなどしながら決めていくのがベストです。
自律神経失調症で仕事を辞めたいと思うことは不自然ではありませんし、珍しいことではありません。ぜひこの問題を考えるときには、自分を責めないでくださいね。
スムーズに辞めるには?辞めたあとの過ごし方は?
自律神経失調症で仕事を辞めたいと思い、実際に辞めると決断した後のことについて考えていきましょう。
まず、退職については主治医など客観的にみてくれる立場の人と相談してのことでしょうか?そうでない場合は、今は見送ってどうしても辛い場合は「休職」という扱いにするのがおすすめです。
その理由としては、心や体がつらい状態の場合には人間は概して冷静な判断ができないことがあるからです。そして、自分の判断で仕事を辞めてしまうと失業手当も「自己都合の退職」という扱いになりますので、すぐにはもらえずに経済的に苦しくなる恐れがあります。
ですから、自分一人で誰にも相談せずに「辞める」と決めた場合は一度踏みとどまってくださいね。
相談して辞めることを決めた場合は、まず診断書を用意してください。診断書はすでに通っている病院なら「仕事を辞めるのに必要」という話をすれば書いてもらうことができます。
この診断書を持って、まずは直接の上司に相談してください。そして、いつまで働くのか?引継ぎはどうするのか?など具体的に会社を退職するまでのプロセスについて話をしましょう。
ちなみに退職後の生活が心配という方も多いでしょう。
健康保険組合から支払われる「傷病手当金」という制度があります。これは会社を3日病気で休むと4日目から支給されるものです。休職でも退職でも、その事実があれば健康保険組合に連絡して申請することで確実にもらえます。
これは最大1年6ヶ月分支給されますので、「経済的に心配だから、本当はどうにもならないくらい辛いけれど働くんだ」と思っている場合には、活用して休職するなり退職するという方法を考えましょう。
さて、会社を退職したとしてその先のことを考えていきます。どう過ごしたらよいのでしょうか?
まずは、心を体をゆっくり休めるのが最優先です。昼間からごろごろと横になっていても罪悪感を感じる必要はありません。職場復帰や再就職に向けていろいろと頑張り始めるのは、治ってからでいいのです。治すのが最優先と思ってくださいね。
その中でも気を付けたいのが「昼夜逆転生活」です。会社や学校を休んでいる人が陥ってしまいやすい危険なパターンなのですが、昼間は知り合いや元同僚などの目が気になって外に出づらいというような気持ちからこのようになる場合があります。
気になってしまうのは人として普通のことで何もおかしいことではありませんが、気分が比較的よい日に外を散歩したり歩いたりしているのは悪いことではありません。むしろ、心と体のリハビリをしているようなものです。
もし、「元気そうだね」とか「出歩いて大丈夫?」などと言われてしまったら、「時々は外を歩いたりするのも必要だとお医者さんに言われている」というようなニュアンスで答えておきましょう。
参考:自律神経失調症からくるめまいを克服しよう!その方法とは?
お休みの期間に入ったら、生活のリズムだけは崩さないように気を付けながら自分の快適なように、心と体が休まるように好きに過ごすのがおすすめです。
休職という選択肢は?
休職で済みそうならば、休職にしておくことで体調を整えた後に籍が残っているという安心感がありますね。
もし、職場のストレスが体調を崩してしまった主な原因なら思い切って辞めるという選択をし、その後体調を整えたら新しい環境の職場を探すという方向性がおすすめです。
そうでなければ、「また転職がうまく出来るだろうか」とか「自分の年齢で再就職なんて無理なのではないか」などの悩みを抱えなくて済みますので、休職する方が負担が少ないと考えられます。
休職するのか、それとも一旦は完全に仕事を辞めるのか。どちらが良いのかは、ケースバイケースです。
ご自身が「休んだ後今の職場に戻りたいのかどうか」ということを基準として考えるとよいでしょう。
まとめ
自律神経失調症で仕事を辞めたいと思うのはおかしいことではありません。
でも、自分一人で「辞める」と決めてしまうのは少し心配です。かかりつけの医師など第三者的な立場の方と相談しながら今後について「休職」も視野に入れて相談していきましょう。
お休みに入ったら、何よりも心と体を休めて回復することを優先してくださいね。