パニック障害発症のとき、暴れることってある?その原因や対処法について考えながら、考えられる別の病気についてもみていきましょう。
また、身近なパニック障害の方が暴れてしまうというという場合、はじめての場合はとくに戸惑いますし、どうしたらよいのか分からないこともありますよね。
身近な人が暴れてしまうという方向けにも解説します。
パニック障害で暴れることってあるの?
パニック障害の症状として知られているものの中に、あまり「暴れる」といった表現は見当たりません。ご自身や周りの方の症状について調べたり、病院にかかって医師に話を聞いた経験のある方なら、ご存知かもしれませんね。
しかし、実際のところパニック障害の患者さんが暴れるという例は多くはありませんが存在しています。
これはパニック障害の症状というよりは、
- パニック障害の発作の苦しみなどによる二次的なもの
- パニック発作を引き起こした強いストレス
- 他の精神的な病気がある
これらが原因として考えられます。パニック障害だから必ず暴れるということではないということを知っておいてくださいね。
パニック障害の発作は経験した人にしか分からないかもしれませんが、本人にとっては死ぬかもしれないというレベルの苦しみです。発作中に泣いてしまう人もいますし、あまりの恐怖のあまり暴れてしまうという可能性もあります。
また非常に多いケースとしては、パニック発作が原因で家族や恋人との関係がギクシャクしてしまったことが原因で強いストレスを感じている場合が考えられます。それをその都度上手く表現できていれば暴れるという結果にはなりません。
しかし、パニック障害が強いストレスが続くことで引き起こされたと仮定するなら、その人はそこまでの強いストレスをため込んでしまったともいえます。つまり、発作が起きることによって周囲の人の態度が変化したりしても、それに対してすぐには何も言わずに抱え込んでしまうということもあるのです。
そのためこんだ気持ちが抑えられなくなるほどになると、もはや言葉で表現するどころではなく結果として暴れてしまうというほどの感情の高ぶりが起きることもあると考えられます。
参考:パニック障害の初期症状は何?セルフチェックの方法はあるの?
そして、忘れてはいけないのが他の病気の存在です。パニック障害のメインの症状としては暴れるというものはあまり一般的ではありません。
他の精神的な病気などでも、一見パニック障害であるかのような症状が現れることがよくあります。暴れてしまうようなコントロールが失われた状態になりやすい病気としては、次のようなものが考えられます。
- 非定型うつ病
- 統合失調症
- 解離性障害
これらの病気でも自身のコントロールを失った状態になることが知られています。頻繁に暴れるというような状態が続く場合は、他の病気の可能性も含めて早めに医療機関で相談するのがベストです。
身近な人が暴れる場合はどうする?
身近な人が暴れると本人にも周囲にも危険が及んでしまいますね。患者さん自身が自分を傷つけたり(自傷行為)、周りの人に危険を及ぼすことも心配です。
もし、身近な人が暴れてしまったら
- 安全の確保(少し離れる)
- 優しく声をかける(こちらが大声を出すのはNG)
- 落ち着くまでそっと見守る
この3つを心がけてください。頻繁に暴れるようなら危険なものは隠しておくのがよいでしょう。(暴れてしまう患者さんがいる場合、精神科などでは医師も危険なものや薬は本人の目の届かないところに置くことをすすめています。)
絶対に見放さない、という姿勢がとても大切です。そのことが本人の安心感を大きくし、不安感を小さくするということを覚えておいてくださいね。
暴れるという症状が落ち着いたら、決して本人を責めないでください。そして、日常に戻れるようにサポートしましょう。
具体的には、「今日は調子が悪かったんだね」というような声かけや「○○をしようか」というように気持ちを切り替えるサポートが大切です。身近な人が暴れると衝撃を受けるかもしれませんが、暴れている本人も辛いということは忘れないでくださいね。
参考:パニック障害の治療期間に正しい過ごし方はどうすれば良いの?
原因は?他の病気ということは?
先ほど触れましたが、原因として直接パニック障害があるということはあまりありません。
むしろ、パニック障害の発作によって起こったストレス(恐怖・人間関係の変化)などによってさらにストレスを抱えてしまっている可能性があります。そしてそれが抱えきれなくなって、コントロールできないほどのレベルになっているという仮説です。
また、パニック障害と似た症状のでる精神的な病気は少なくありません。併発しているということも十分にあり得ます。他の病気という可能性もありますので、暴れてしまうということも医師に相談することをおすすめします。
他の病気も併発しているとなるととても不安な気持ちになるかもしれませんが、いくつかの病気を併発してもそれを克服し、元気に暮らしている方も実際にたくさんいらっしゃいます。
早く対処していくことが、きちんと回復するためのポイントですので、暴れるなどの激しい症状があったらすぐに受診しましょう。
まとめ
パニック障害の直接の症状として暴れるというものはありません。
しかし、強いストレスが引き金で発作を起こしパニック障害になったという場合やパニック障害の症状がきっかけで周りの人との関係がギクシャクしてしまったという場合には気持ちが抑えられなくなり、暴れる可能性もあります。
また、他の病気が併発していて暴れるという可能性も考えられます。
周りの人が暴れてしまったら、安全な距離を保ちつつ、決して見放さないということを態度や言葉で示してあげてください。そして、暴れたということは必ず医師に相談しましょう。
本人だけで伝えることが難しいようなら、家族・友人・恋人などが一緒に診察に行くというような工夫も大切です。