統合失調症と診断された場合、治療期間はどれくらいかかるのでしょう。「統合失調症になったら一生治療しなければいけない」…。
果たしてそれは本当なのでしょうか?
通院と治療が一生続くのかと思うと憂欝な気持ちになりますよね。薬を飲まなくても良くなるまで回復することはできないのか。統合失調症への理解を深めるためにも治療期間について知っていきましょう。
統合失調症と診断されたけど、治療期間はどれくらい?一生って本当?
よく言われている通り、統合失調症と診断されたら治療期間は“一生”です。
なぜ治療期間が一生なのか。それは統合失調症が本当の意味で完治しないと考えられているからなんです。
統合失調症は治る病気ではありますが、完治は難しいと言われています。現時点での治療方法は、薬を飲んで症状を抑えるしかないんですね。今は統合失調症になってしまったら薬を飲んで“正常な状態を保っていく”という治療法しかありません。
そのため、統合失調症を発症したら治療期間は“一生”になるんです。
ただし薬を飲まなくても生活ができるようになるまで回復することはできます。だからといって安心して良いわけではなく定期的に統合失調症の診察を受ける必要はあるでしょう。統合失調症の診断を受けたからといって「もう一生ダメなんだ」と、絶望的にはならないで下さいね。
治療期間は確かに一生かもしれませんが、しっかり治療を続けていれば薬を飲まなくても良くなるまで回復しますし社会にも復帰できます。
統合失調症と診断されて回復するまでの期間は?
統合失調症と診断されてからどのくらいの期間で良くなるのか。
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こればかりは人によって違ってきます。ある人は2週間ほどで良くなり、寛解(かんかい)した事例があります。ですがある人は2年経過しても入退院を繰り返していたりするんです。
2週間で寛解したというのは非常に珍しく、大抵は回復までに年単位でかかります。1年、2年、重いと10年以上かかることも。統合失調症だと診断されたら長期戦になることを考えておきましょう。回復したとしても治療は続けていかなければなりませんので、油断は禁物です。
統合失調症の予後は薬を飲んでいる期間が短ければ短いほど良いと言われています。それを考えると、できるだけ早く寛解まで辿り着きたいところですね。そのためにはしっかりと治療を受けて周りの協力を得なければなりません。
統合失調症でよく聞く“回復期”ってなに?
統合失調症と診断されたら、経過についても知っておくと良いかと思います。統合失調症を調べていると「予後」「回復期」「急性期」という言葉を目にしたことはありませんか?
風邪をひいた時、「なんだか風邪っぽいな」から始まり「今日がピークだな」となって「そろそろ落ち着いてきた」…という道を辿りますよね。どんな病気にも経過があるため、経過を知っておくことで病気を理解しやすくなるんです。もちろん統合失調症も症状を経過に分けて考えると非常にわかりやすくなります。
風邪で例えると“風邪気味”にあたるのが「前兆期」です。統合失調症の場合はやる気がなくなったり食欲不振になったりと、うつ病にとてもよく似ています。うつ病と勘違いしてしまって統合失調症だと気づかなかったパターンもあるほどです。
“風邪のピーク”にあたるのが「急性期」。統合失調症で有名な幻覚や幻聴などの症状が出てくる頃合いですね。陽性ですと暴力的になることもありますが、陰性ではどんどん自閉的になっていきます。
“風邪の治りかけ”にあたるのは「回復期」。症状がなくなってきて、みなさんほとんど元の状態に戻りますね。急性期の症状を一部だけ引きずってしまう人もいますが、ちゃんと治療を続ければ大丈夫です。統合失調症の場合、回復期に至るまでの期間がやや長めとなっています。
“風邪がほぼ治っている”のは「安定期」。統合失調症の場合、安定期に入ってからリハビリを始めます。
“風邪が治ったあと”が「予後」。予後と言っても完治したわけではありませんので定期的な診察は忘れないようにしましょう。人によっては統合失調症の障害が残ることもあると言われています。
統合失調症と診断されるのは“急性期”が多いですね。そこから長い期間を経て“予後”となります。
まとめ
統合失調症と診断されたら、その先はずっと統合失調症と付き合っていかなければなりません。治療期間は一生ではありますが、完治に近いところまで回復することは可能ですよ。
以前は治らない病気とされていた統合失調症。ですが、前兆期から予後までの経過を見ていくと、治る気がしてきませんか?
今の医学なら治すことができますから、統合失調症になったからといって諦めないで下さいね。