統合失調症の薬を飲まないとどうなるのか。副作用が強いので、できればやめたい…と思っている患者さんは多いでしょう。なにより薬は飲まないに越したことはありません。
ただし、がむしゃらに統合失調症の薬をやめるのはオススメできないんです。それは断薬のリスクが非常に高いから、なんですね。
統合失調症の薬を飲まないとどうなるのか。また、どんなリスクがあるのでしょうか。詳しく解説していきますね。
統合失調症の薬をやめたい!飲まないとどうなるの?
統合失調症は残念ながら根治しないと言われているんですね。薬はそんな症状を抑えてくれます。飲まないとどうなるのか、なんとなく察しがつくのではないでしょうか。
参考:統合失調症を薬を飲まないで治す!順序はどうすれば良い?
薬を減らしたりやめることによるリスクは主に2つあります。1つめは「症状の悪化」、2つめは「統合失調症の再発」です。
減薬か断薬をすると、最初は症状が軽くなって調子が良くなるんですね。根治はしなくても病気の症状が落ち着くことを“寛解(かんかい)”と言います。そのまま回復すれば良いのですが、お医者さんの指示なく自己判断で減薬や断薬をすると寛解の状態は続かないことがほとんどです。
そうすると再び症状が悪化したり、元通りに生活できるほど回復していたにも関わらず再発して、また治療をしなければならなくなります。
薬を飲まないとどうなるのか?その実例を知りたい!
統合失調症の薬を飲まないとどうなるのか、その実例もあります。
それでは「症状の悪化」から見ていきましょう。これは文字通り、今まで出ていた統合失調症の症状が再び現れ、状態が悪くなっていくことを指します。幻覚がまた見えるようになったり、幻聴が聞こえるようになったり、ですね。
せっかく良くなっていた症状が薬をやめた影響で悪化したら、また同じ治療しなければいけなくなります。坂を転げ落ちるのは速いですが、坂を上るのは遅くて大変なんですよ。
次に「統合失調症の再発」です。“薬を飲まないとどうなるのか”で、もっとも恐れられていることです。
回復していた症状が悪化するのは、来た道を戻っているとイメージすればわかりやすいでしょう。再発は来た道を戻るどころかピークの状態まで一気に戻ってしまうんです。
自己判断で統合失調症の薬を減らした患者さんが実際にいらっしゃいました。薬を減らすと一時的に症状が良くなるため、その患者さんはどんどん量を減らしていったんです。薬を減らすというのはとても簡単なんですよ。錠剤だったら2つや4つ折ってしまえば“減薬”になります。
その結果、統合失調症が再発して2度目の入院治療を受けることになりました。今回のケースは“減薬”でしたが、“断薬”であればもっと早く再発していた可能性が考えられます。
無理な減薬・断薬は離脱症状を引き起こすことも…焦らなければ大丈夫
統合失調症の薬を飲まないとどうなるのか…。断薬のリスクがどれほど高いことなのかわかりましたね。
もし統合失調症の薬をやめたいのなら無理のない段階を踏んで、お医者さんの指示に従いながら断薬を始めましょう。無理な断薬は症状の悪化や再発を招くだけでなく、なんと離脱症状を引き起こす可能性もあるんです。
精神病に使う薬を無理にやめると離脱症状が起こる話を聞いたことはありませんか?
睡眠障害が起きてなかなか眠れなくなったり、激しいめまいが起きたり、頭が痛くなったり…。吐き気を催すこともありますし、そのために食欲不振となってしまうこともあるんです。
不愉快なのが目の渇きや、体温が不安定になる離脱症状ですね。いつも目に違和感がありますし、体温が不安定になると暑いのか寒いのかわからなくなってしまいます。
また、異常に汗をかくという離脱症状を経験した方もいらしゃいます。情緒不安定になって落ち着かない…といった報告もありますから、病気による症状ではないからといって侮れません。
離脱症状は無理のない断薬をすれば起きることはほぼないと言われています。どのくらいゆっくり断薬をしていけば良いのかは人によって違いますから、焦らずに始めると良いでしょう。
他の人と比べて期間が長めだからといって不安に思う必要もないですよ。何事も自分のペースで進んでいくのが大事なんです。
まとめ
統合失調症の薬を飲まないとどうなるのか。結論は「症状が悪化したり再発する可能性が高くなる」ですね。
無理な断薬をすると離脱症状という余計なつらさまで背負うことになりますから、やたらと断薬・減薬をするのはやめておきましょう。
診察を受けながらお医者さんと話し合い、無理なく断薬していけば薬を飲まなくても済むようになります。統合失調症が回復して薬を飲まなくても良くなったという人、結構いらっしゃるんですよ。