パニック障害を抱えながら仕事探しをしなければならないとなるとハードルが高いと感じられる方も少なくないでしょう。
そんな時にはどんなことに気を付け、仕事や職場を選んだらよいのでしょうか?
仕事探しの悩みについて一緒に考えていきましょう。
パニック障害を抱えての仕事探しで注意することは?
人間が生きていくのにはお金が必要になります。もちろんお金だけのためではないかもしれませんが、たいていの人は働いて収入を得てそれを糧に生活しているわけですよね。パニック障害を抱えていても、「仕事探しをしたい」・「就職したい」と思うのはごく自然なことです。
では、どんなことに気を付けて仕事探しをすればよいのでしょうか?
まず大切なのは自分の現状として「何ができて、何ができないのか」ということを希望的にも悲観的にもならずに客観的にみることがポイントです。同じパニック障害でも程度や症状は人それぞれ。「列に並ぶのが難しい」という人もいれば、「特急列車に乗るのが無理」という人もいますね。
つい仕事探しをしようと思って意欲が出てくると、就職に対して気持ちが焦ってしまい、自分の症状について冷静にみられないこともあります。仕事探しをするときには、自分のことを客観的に見るお手伝いを医師やカウンセラーの専門家である第三者にお願いしましょう。
そして、そのうえでどんな仕事なら一番負担が少なく気持ちよく働けそうなのか、ということを仕事内容だけでなく、通勤の面なども含めて考えてみましょう。車で行くことならできるのか?それとも徒歩や自転車でないと厳しいのか?などなるべく具体的に細かく考えてイメージしていきましょう。
また、パニック障害でなくても大切なことなのですが、なるべくなら自分が「この仕事なら頑張れそうだ」・「やってみたい」と思えるものを選びたいものです。必ずしも誰でも好きな仕事ができる・しているという訳ではないでしょうが、仕事探しをするときにはこの考えは忘れないようにしましょう。
心が折れそう・つらいと感じることは健康な状態であっても、仕事をしているとあったりします。そんなときにもうひと踏ん張りできるための原動力になり得るからです。特に病気を抱えながら働くことはとてもエネルギーのいることです。
だからこそ、なるべく自分にとってのやりがいを感じやすい仕事という基準は必ずどこかに持つようにしたいですね。
仕事を選ぶポイントは?
少し「やりがい」について触れましたが、そのほかのパニック障害を抱えながら仕事を選ぶポイントについてまとめていきます。
先ほど触れた「やりがい」は非常に大切です。やりがいがある仕事ということが、病気を克服するための心の支えにもなりますし、社会とつながっていたいという希望を大きくしてくれます。
また、通勤の環境もとても大切です。パニック障害ではよく満員電車などが苦手になったりすることがよくあります。そういった症状がなくても、通勤で知らず知らずのうちにストレスを感じていると、それが引き金となってまた発作が起きやすくなってしまうことも考えられるのです。
ですから、不安を感じにくい通勤の仕方ができる職場というのも仕事探しをするうえで大切になります。たとえば、車が平気な方なら車通勤OKであるとか、徒歩・自転車など自分にとって不安のない方法で通勤できるのか?という風に考えてみてくださいね。
仕事の種類についてですが、しばらく仕事をお休みしていた場合にまた仕事を探すということであれば最初は短時間のアルバイトなどから始めて体を慣らすのがおすすめです。短時間の仕事をしながら、昼間の空いた時間などを有効活用して正規雇用の仕事を探すという方法もあります。
就職について焦ってしまう気持ちがあるのも自然なことですが、いきなりの無理はかえって病気を悪化させてしまい、ますます安定的に仕事をすることが難しくなってしまうという恐れがあるのです。就職を考えたら、まずは主治医にどの程度の働き方をすべきか相談してくださいね。
最初に病気について伝えた方がいい?
これも多くの患者さんが迷ってしまう問題ですね。
- 病気を隠さないと雇ってもらえないかもしれない
- 病気について後でばれたら、かえってよくないかもしれない
などと相反することで悩んでしまいますね。これについては、最初から病気について詳しく伝えることをおすすめします。詳しくというのは、「薬を飲んでいれば支障なく生活できている」などとプラス面を話すことも含みます。
人事の方、経営者の方も後で病気だということがわかるより、最初からこれから採用する人について知りたいと思っているのです。その方が、サポートも得られやすくなりますし、かえって職場に病気のことで迷惑をかけないことにもなります。
何より隠して入社すると、自分が一番困ってしまいます。もし体調を崩したときに、周囲の理解が全く得られずに辛い思いをする・同僚にも大きな負担がかかるというようなことが起きてくるからです。
自分のできること、できないこと、今の病気の状態について最初から正直に話しましょう。もしかすると、なかなか採用されずに落ち込むこともないとはいえません。でも、精神的な病気を抱えている人の就職を支援するサイトもありますし、ハローワークなどで病気のことを話して相談するのも一つの方法です。
病気は隠さずに就職活動するというのは勇気のいることですが、長い目で見れば一番ベストな方法ともいえます。
まとめ
パニック障害を抱えながら仕事探しをするという場合には、まず自分の現状を客観的に見つめることが大切です。そうすると、自ずと「どんな会社なら働けるのか」ということ、「どういった通勤が理想的か」ということが分かってきます。
客観視することが難しい場合には、医師やカウンセラーに相談してみましょう。
そして、なるべく病気のことは詳しく正直に話して、それでも採用してくれるというところで仕事を始めましょう。理解のある会社も必ずあります。焦らずに探していきましょう。