自律神経失調症の症状で汗が出すぎて恥ずかしい!そんな悩みを持つ方がたくさんいます。
ここでは汗の悩みを改善するための薬・治療法などをお伝えします。汗の悩みを解決してもっと毎日を快適にしませんか?
自律神経失調症で多汗になるの?
自律神経失調症で悩んでいる方の中には、「運動もしていないのに汗が止まらない」など汗に関する悩みを抱えている患者さんが少なくありません。どうして自律神経の調子が乱れると汗がたくさん出てしまうのでしょうか?
それは、汗腺をコントロールしている神経にヒントがあります。汗腺は交感神経によってコントロールされているのです。
自律神経失調症の場合には、交感神経が常に優位になってしまっている場合が多く、そうなると汗腺も常に必要かどうかにかかわらず活動モードというわけです。そのため、運動していたり、精神的に特に緊張するような場面でなくても汗をかいてしまいがちになるのです。
自律神経失調症では、交感神経とともに体のバランスを整えている副交感神経の働きも弱まる傾向にあります。そして、交感神経の働きが抑えられないので汗もたくさんかいてしまいます。これが自律神経失調症と多汗の関係です。
汗をかいてしまうと、臭いが気になったり、周りの目が気になってしまいますよね。それによってストレスも感じますし、外に出るのが辛くなる場合も。なるべく早く対処したいと思いますが、何からやっていいのか?そして、治療法もよくわからないという人がほとんどでしょう。
自律神経のトラブルに由来した多汗の場合、病院での治療・そしてセルフケアにはどのようなものがあるのでしょうか?
薬はどんなものが処方される?治療法は?
まずは、病院でどのような薬が処方されるのかみていきます。
自律神経失調症によって汗が多く出てしまっている場合、ストレスとの関連も考えられます。つまり、精神的な要因で汗が出てしまっているという考え方です。そのため、汗そのものというよりも精神面に重きをおいて薬を処方されることがあります。
自律神経失調症とは別の局所多汗症といって、体の一部分に汗をかいてしまう場合には治療法として神経遮断薬を使う場合もあります。
自律神経に由来している場合に処方されるのは、精神安定剤・抗不安薬という種類になることもありますが、なるべく副作用の少ない漢方薬で処方をする場合もあります。
精神安定剤・抗不安薬は、眠気を伴うものがとても多いのですが副作用の少ないものもあります。一口に精神安定剤・抗不安薬といっても、その強さや持続時間などの性質は千差万別です。まずは、持続時間も作用の強さも弱いものからスタートして様子を見ることが多いですね。
ただ、車の運転や機械の操作などを控えるように注意する必要のあるものがとても多いので、日常的に仕事で車の運転や機械の操作などの機会が多い方の場合はそのことを医師に伝えてください。
自分でできる対処法はないの?
自分でできる対処法でおすすめなのが、有酸素運動と呼吸法です。
なんだか余計に汗をかきそうな感じがしてしまいましたか?
確かに有酸素運動では、汗をかきます。しかし、有酸素運動をしていると呼吸が自然と整ってきます。つまり深呼吸のような状態になるわけです。このように有酸素運動では、呼吸が整うことによって働きが悪くなっている副交感神経も目覚めてきます。
そうなると交感神経と副交感神経のバランスが取れてきます。つまり、自律神経全体のバランスを整えることにもつながるのです。
呼吸法も同様の理由でおすすめです。呼吸は自分で意識的に自律神経をコントロールできる唯一の方法です。
さらに、血液の中の二酸化炭素が濃くなってしまうと汗がたくさん出てしまうというメカニズムがありますが、意識して深い呼吸を整えることによって、体内の二酸化炭素をしっかりと外に出して汗を抑えることができます。
呼吸法に関しては、書籍などもたくさんあり簡単なものから難しいものまでありますが、まずは深い呼吸を意識して静かな環境で「吸って、吐いて」と心の中で言葉にしながら20分続けてみてください。
毎日やるのが治療としては理想的です。多汗症に限らず、自律神経失調症や精神疾患で薬と同じくらい、それ以上に効果を実感したという患者さんも多い方法なので、まずは試してみてくださいね。
まとめ
自律神経失調症に由来する汗の治療法では、
- 精神安定剤・抗不安薬によるもの
- 漢方薬によるもの
- 呼吸法・有酸素運動によるセルフケア
がよく行われます。
薬の副作用が心配な場合・体に合わないと感じた場合は、正直に担当の医師に相談しましょう。
そして、薬を処方されている場合でも呼吸法など毎日できそうなものはぜひ積極的にやってみてくださいね。なかなか解決の難しい汗の問題ですが、セルフケアは自律神経そのものの調子を整えるものです。諦めずに続けていきましょう。