なるべく自分の治す力を利用して治したい。そんな自律神経失調症に悩む方の間で「針(鍼)」が注目されています。
具体的にどんな効果があるのか詳しくみていきましょう。
自律神経失調症の治療はどうやって行う?
一般的に自律神経失調症の治療には次のようなものがあります。
- 投薬による治療
- 自律訓練法
- 生活の改善指導
- マッサージや針(鍼)など
だいたいの人の場合、「なんとなく体の調子がおかしい」とか身内などの身近な人から精神的な不安定を指摘されて、病院へ行きます。
その場合、内科や心療内科、精神的な症状が強い場合には精神科などのクリニックにかかることになりますね。そこでどんな治療をするのかというと、まずは西洋薬や漢方薬などを状況に応じて使い分けて不快な症状をやわらげます。
つまり薬物療法を行います。それに加えて、自分自身の体を整えていくためのアドバイスをしてくれる場合も多いです。自律神経というのは、昼夜のリズムが乱れたり、強いストレスを感じ続けていたりすると乱れてしまいがちです。
薬は日常生活や仕事を健康な時と同じように続けていくためには、とても素晴らしい効果を発揮してくれます。しかし、人によっては眠気や倦怠感などの副作用が気になることもありますし、根本的な解決をするものではありません。
そこで生活の改善指導をしてもらったり、自律訓練法を医師などの専門家の指導の下に行うことで自身の体をしっかりとコントロールできるようになることも回復の上では重要です。
また、針(鍼)などの東洋医学の治療もWHOにも効果が認められています。後で詳しく説明しますが、このような東洋医学の治療は自律神経が乱れてしまう根本にも作用してくれるのです。
上手に西洋医学と東洋医学を組み合わせることで、不快な症状を抑えながら根本的に自律神経を整えることにもつながります。
針(鍼)が効果的って本当?
では、針(鍼)はどのように自律神経失調症に効いていくのでしょうか?その効果をみていきます。
まず、冷えは万病のもととよく言います。昔の人のいいそうなことですが、確かにその通りだということが近年の西洋医学でもわかってきました。体温と免疫力の関係を指摘した本も多くの人に読まれていますね。
そして、東洋医学では健康やさまざまな要素を陰と陽でとらえています。まさに活動する時の神経である交感神経とリラックスする時の神経である副交感神経の関係にも似ています。
東洋医学では、陰と陽のバランスが乱れてしまうことで体調不良が起こると考えられています。自律神経失調症も実際に交感神経と副交感神経のバランスが崩れることで起こっていますね。
さて、冷えの話にもどりますが体が冷えてしまっていると陰と陽のバランスが崩れ、自然治癒力もきちんと働いてくれなくなります。
そうなると自律神経失調症のような、検査をしてもどこかが悪いわけではないのに何となく体調が悪いという状態になってしまいます。
西洋薬はひとつひとつの症状を抑えて日常生活を送りやすくするのにはとても効果的です。
参考:自律神経失調症で休職したい。診断書や過ごし方はどうする?
一方針(鍼)などの東洋医学は、その根本的な体のバランスに着目して血流を良くするなどして「自分の本来持っている力」で不調を治すという考え方がベースです。人の体には本来、「恒常性(こうじょうせい)」といって「元の状態を保とうとする力」があります。それを引き出してくれるのが東洋医学という訳なのですね。
自分でできるセルフケアは?
体のバランスを整えてあげることが第一です。
そのために、規則正しい生活とバランスの良い食事を心がけてください。食事の面でも季節のものを取り入れることで、体の熱を発散させたり、温めたりと季節ごとに必要な栄養を摂れるようになります。
病院での治療に加えて自分でも体にやさしい生活を心がけることがより早い回復を助けてくれますよ。
まとめ
西洋医学には西洋医学の良さ、針(鍼)などの東洋医学には東洋医学の良さがあることがお分かりいただけたでしょうか?
不快な症状を抑えるのには投薬が効果的ですが、じっくりと根本から治していくのには鍼などの治療は穏やかですがしっかりと効果があります。自分に合った治療法を見つけることがどんな病気でも大切です。
焦らずにひとつひとつ症状と体質を改善していきましょう。