自律神経失調症の症状。女性の場合にはどのような症状が出やすいのでしょうか?
そして、自分でできる改善方法と受診する目安とは?
もしかしたら自律神経の問題?と思ったときに役立つ情報をまとめました。
自律神経失調症、女性はとくになりやすい?
まず、簡単に自律神経というものが何なのかについて解説します。自律神経というのは人間が生きていくのに必要な生命維持活動をコントロールしている神経で全身に分布しています。
私たちが起きている時も、寝ている時も無意識で内臓の働きや循環、代謝などを調節している神経なのですが、これは脳の視床下部というところでコントロールされています。ここは、同時にホルモン分泌などのコントロールにもかかわっています。
そのため、ホルモンバランスが乱れたりいつもと違ってくると同時に自律神経の働きにも変調をきたしてくる場合もあるのです。
特に女性は、男性に比べてホルモンバランスの変化が多いという特徴があります。毎月の生理のサイクル、妊娠したり出産したり、閉経の時期には更年期障害といわれる状態になることがあるほどです。
参考:自律神経失調症改善したい!サプリや食事・飲み物でおすすめは?
女性の場合、このような理由で自律神経の働きが乱れやすく自律神経失調症になってしまうリスクも高いと考えられているのですね。
女性に多い症状にはどんなものがあるの?
では、女性が自律神経失調症になってしまうとどのような症状が出てくるのでしょうか?男女共通のもの、女性ならではのものにわけて症状を挙げていきます。
男女ともに起きてくる症状には次のようなものがあります。
- 頭痛
- めまい
- 気分が悪い・吐き気
- 微熱
- 血圧が不安定になる
- お腹の調子が悪くなる
- 動悸
- 精神的に不安定になる
他の病気でもなりがちな症状ですが、自律神経失調症の場合にはこれらが複数起こるため「何となく調子がすぐれない」ということで病院を受診する患者さんが多いのが特徴です。
では、女性の場合どのような症状が出やすいのでしょうか。
- 生理不順
- 不妊症
- 生理痛が重くなる
自律神経の働きが乱れていると、同時に女性ホルモンのバランスも乱れがちになります。そのため、月経や妊娠などの女性特有の臓器に影響が出てくるわけです。
しかし、ここで気を付けたいのが生理不順・不妊症・つらい生理痛などは自律神経失調症だけの症状ではないということです。例えば、子宮筋腫などの婦人科系の病気が原因でも生理痛が重くなってきたり、不妊の原因になったりということもあります。
自律神経失調症というのは、体の不調の確定的な原因が見当たらない場合に診断されるということも覚えておいてくださいね。
不快な症状を改善するためにできることは?
自律神経の働きが乱れてきたとき、不快な症状が出て今まで何ともなかった日常生活もとても辛くなってしまいますね。そんな不快な症状を改善するために自分でできることはあるのでしょうか?
まず、規則正しい生活を改めて意識するようにしてください。人間の神経は、活動モードとリラックスモード(交感神経と副交感神経)が約12時間交代でそれぞれ優位になることで体のバランスを保っています。
これは、人間が日中活動して夜間は休む、というライフサイクルで暮らしていることと深く関係しています。この生活のリズムが不規則になってくると体が「昼と夜がよくわからない」という状態に陥ってきます。
そうならないように、
- 朝はしっかり光を浴びる
- 夜寝る前の数時間はなるべくテレビやスマホなどの強い光を見ることを控える
- 寝る直前の強めの運動・熱いお湯での入浴は控える
これらに少し気を付けてみてください。こうすることで、体の活動とリラックスのリズムがつきやすくなります。
ですが、長期にわたってずっと体調がすぐれないという場合にはセルフケアだけでは改善が難しい場合がほとんどです。病院を受診して、体に異常がないか、自律神経の問題なのかということを判断してもらうことが大切です。
改善の近道はやっぱり病院に行くこと?
体の様々な部分の不調が自律神経失調症が原因だと自分で判断することは、他の病気を見逃すことにもつながり危険です。
女性の場合、婦人科系の不調が長く続くようならまずは婦人科で相談するのが基本です。そこで異常がない場合に自律神経の不調を疑うということになります。婦人科を受診する時に婦人科系の不調以外にも体の不調があれば、その点も相談するとより判断してもらいやすくなります。
症状を改善する近道は、やはり病院を受診すること。そして、なるべく医師に自分の不調を詳しく伝えることが大切です。病院で話をしようとするとついうっかり大切なことを話し忘れてしまう人も意外と多いものですから、あらかじめメモをしておくと安心ですよ。
病院でなるべく早く的確な判断をしてもらうためにも、自分の症状を正確に伝えられるように準備することも忘れないようにしたいですね。