パニック障害が原因の動悸やめまいに悩んでいませんか?
突然の動悸やめまいは、不安な気持ちをより増大させてしまいますし、何より生活に支障が出てしまうこともあり、ぜひ抑えたい症状でもあります。
どうして動悸やめまいが起こるのか、また自分で抑えるためにできることはあるのか?など、辛い症状と付き合っていく方法を解説します。
パニック障害で動悸が起きる理由は?
パニック障害の発作の症状としては、動悸はかなり代表的な症状でもあります。パニック発作を経験したことのある人の多くが動悸の症状を経験したことがあるといっても過言ではありません。
どうしてパニック発作で動悸が起きるのでしょうか?パニック障害では、実際に心肺機能に何の病気もないのに心肺機能がおかしくなってしまったかのように呼吸や心拍が乱れたりするのです。
まず、パニック発作はある日突然何の兆候もなく起こります。引き金としては、強いストレスが指摘されていますが、まだまだ分かっていないことの多いのがこのパニック障害という病気なのです。
パニック発作では、めまいや息苦しさ、過呼吸、動悸などの体の症状に加えて、言い表せないような強い不安感などの精神的な症状が現れます。そして、この強い不安感が「また発作になったらどうしよう」という日常的な不安感を生みます。
この不安な気持ちを予期不安(よきふあん)といいます。そして、この予期不安があるために特定の場所や人の多いところ、抜けられないところなどを避ける広場恐怖(ひろばきょうふ)という状態になることがよくあるのです。
参考:パニック障害の治療期間に正しい過ごし方はどうすれば良いの?
この状態になると社会活動に大きな影響を与えますし、自信を失ってしまいがちになります。なるべく発作を抑えるためにも、病気について患者さん本人がしっかりと理解することがとても重要なのですね。
動悸などを引き起こすパニック発作は、本当は危険な状態でないのにも関わらず脳が「危険を感じた時」のような働きをしてしまうために、体に恐怖を感じている時のような変化が起きるのです。そして、一度発作が起きるとそれからも起きやすい状態になってしまうのがこの病気の特徴です。
めまいも頻繁に起こる理由とは?
パニック障害では、発作の時などにめまいを感じることもよくあります。
めまいと同時にふらつき、気を失ってしまうような感覚というものを感じる人も多いのが特徴です。さらに、精神的な症状として「自分が自分でなくなってしまうような感覚(離人症)」なども起こることがよくあります。これはなかなか経験した人でなければ分からない感覚です。
パニック障害のめまいは、体がふわふわとするようなめまいが多いといわれています。目の前がぐるぐると回転するようなめまいの場合には、内耳などの耳の問題ということもありますが、パニック障害が原因のめまいはあまり回転せず、血の気が引くような感覚や体に力がうまく入らないような感じです。
めまいは、体の平衡感覚をコントロールする器官・脳のトラブルで起こりますが、ストレスはこれらにも大きな影響を与えます。パニック障害はストレスが引き金となって起こることが少なくありませんし、発作の時に大きなストレスを感じていることは間違いありませんね。
めまいが起こることによってさらに不安になってしまうということもよくあります。パニック障害に気が付く前だと特に、脳や神経の病気などをご自身で疑ってさらに不安が増大してしまうということもよくあるケースです。
最近はスマホなどのインターネットでいつでも手軽に情報を調べることができるゆえに、めまいに関係する病気について調べてさらに不安になってしまうこともあるのです。
参考:【パニック障害】仕事に影響が出ないようにするのに気を付けることは?
そして、不安感などの精神的な緊張はさらに発作を起こりやすい状態にしてしまうことも知られています。不調が出たら自分でたくさん調べたくなる気持ちは当然のことともいえますが、もしパニック障害に当てはまる症状が多い場合には調べすぎないことも大切です。
まずは、専門医(心療内科・精神科など)を受診してパニック障害であるかどうか調べること、パニック障害だと診断されている場合には「このめまいはパニック障害によるものなんだ」と自分の状態をしっかりと改めて冷静に認識することがポイントになります。
動悸とめまいを抑えるためにできることは?
動悸とめまい、とても辛いものですよね。これらはパニック発作の中で起きてくることが多い症状です。
それには、なるべく発作の引き金となる「予期不安」を抑えていくことが大切です。ややこしくなりますが、予期不安を抑えるためにも発作を抑える必要があります。また発作が起きてしまうと余計に不安が大きくなってしまうからです。
それには、
- SSRI(抗うつ薬の一種)などのお薬による治療
- 自分自身の症状・病気に対する正しい認識
が必要です。
パニック障害とうつ病は違うため、何となく抗うつ薬の一種であるSSRIを使うことに抵抗のある方もいるでしょう。でも、SSRIを使うことで心のバランスを保ち、パニック発作を起きにくくしてくれる物質であるセロトニンが脳の中で減るのを防いでくれます。
SSRIをもらったからといって、「うつ病だと決めつけられてしまった」などと思わないでくださいね。パニック発作を抑えるのにはとても有効な薬なのです。
このようにお薬を使うことと正しい認識を持つことで、不安を抑えて発作そのものを起きにくくしていくことが動悸やめまいを改善していくことにもつながります。
まとめ
パニック障害では、発作の時に動悸やめまいなどの症状が現れることがよくあります。
実際には心肺機能などには問題がないのですが、患者さん本人にとっては死ぬほどの恐怖を感じているということを周りの人は知っておく必要がありますので、周囲にパニック障害の方がいる場合には本人の訴えに耳を傾けるようにしてくださいね。
これらを改善していくには、発作を起きにくくしていくことがとても大切です。
パニック障害の治療の中心は、薬物療法になります。
薬物療法も正しく使えば、とても大きな効果を発揮し、日常生活を取り戻せることで本人の自信にもつながります。ぜひ、積極的に発作が起きにくくなるための治療に取り組んでいきましょう。