自律神経失調症の時に乱れがちな血圧。自律神経と血圧にどんな関係があるのでしょうか?
立ったときにふらついたり、めまいを起こしたり・・・。そんな症状も実は血圧が不安定だから起こっている症状なのです。
血圧が不安定になることによっておこる不調を改善するために、血圧を整えるための方法もご紹介します。
自律神経失調症と血圧の関係とは?
自律神経失調症の症状で、血圧が不安定になりがちというものがあります。
そもそも、血圧は自律神経がコントロールしていますので自律神経の働きが上手くいかなくなると血圧も一定に保てなくなるというわけです。
自律神経失調症の場合、血圧が高くなる場合も一時的に低くなり場合も両方あります。まずは、血圧が高くなってしまうパターンについてご説明しましょう。
自律神経失調症で血圧が高くなってしまうという症状のある方の場合、交感神経が優位になってしまっていることが原因として考えられます。
交感神経は、人間が活動する時に主に働く神経です。野生の動物でいうと、闘ったり逃げたりするときに優位になる神経でもあります。
本来は、激しく動いたりするときに血圧を上げてしっかりと活動できるようにしてくれるはずなのですが、自律神経の働きが乱れていると必要のないときにも交感神経が働きすぎてしまいます。そうすると、平常時に不必要に血圧が上がってしまう場合があります。
自律神経の乱れに由来する高血圧の場合には、常に高いというよりも不安定になりがちなことが多いと考えらています。
これが自律神経失調症と高血圧の関係です。
もうひとつの、一時的に低くなってしまう場合について解説します。こちらは、「起立性低血圧」といわれているものです。
ふと立ち上がった時にフラフラしてしまったり、目の前が暗くなりそうになった経験はありませんか?これが起立性低血圧です。
人間の体は、心臓がポンプの役割をすることで全身に血液を送り届けています。血圧が上がると一度に流れる血液の量が増え、血圧が下がると一度に流れる血液の量が減ります。
立っている時、寝ている時をイメージしてみてください。
寝ている時は心臓と頭の高さがおよそ同じくらい、立っている時には心臓より頭、すなわち脳の場所が上になりますね。
寝ている時と同じ勢いで血液を全身に送ろうとすると、心臓より上の部分に血液を送るのに勢いが足りなくなってしまいます。つまり、姿勢を変えたら血圧を上げなくてはいけません。
健康な時は、そのコントロールは自律神経が自動的に行ってくれています。
参考:自律神経失調症の症状で腰痛ってあるの?改善する方法は?
しかし、自律神経失調症の状態ではその切り替えが遅くなってしまうことがあります。それで、一時的に脳に血液が足りなくなってしまいます。これが自律神経失調症の時に起立性低血圧が起こるメカニズムです。
血圧を正常にするためにできることは?
では、メカニズムがわかったところで実際にどうやって血圧を整えていくのかについて考えましょう。
自律神経失調症で血圧の乱れがある場合、降圧剤などのいわゆる「血圧の薬」があまり効果的でない場合も少なくありません。
普通の高血圧の場合には、食事内容の改善も効果的ですが、これも身体的な問題が原因となっている高血圧ではなく自律神経の乱れによって一時的に高くなったり低くなったりしている状態ですので、効果が出るとは考えにくいものです。
自律神経失調症で血圧が不安定な場合は、何よりも自律神経そのものの働きを整える必要があります。
もうひとつ考えられる可能性は、「病院で測った時だけ高くなっていないか?」というものです。これには「白衣高血圧」という名前がつけられています。
白衣を着た人、つまりお医者さんや看護師さんを見てから測ると緊張してしまって血圧が高くなるというものです。この対策には、日常的に朝トイレに行ったあと、夕方の2回測ってみるというものがおすすめです。
これで平常値であれば、問題がないということになります。
さて、自律神経を整えることで血圧を正常にする、というお話に戻ります。
- 朝の光を浴びる
- 決まった時間に寝起きをする習慣をつける
- 意識して深呼吸をする時間を作る
- ビタミン類(特にB群・C)を意識して摂る
- 夜はぬるめのお風呂に浸かる
これらを意識すると、自律神経の働きが整いやすくなります。
参考:自律神経失調症が症状で表れたら病院へ行くべき?何科へ行くの?
しかし、精神面が主な原因となって自律神経が乱れている場合にはこの限りではありません。そういった場合には、ストレスに対処する方法を医師と相談しながら身に着けていくのが根本解決につながります。
もともと血圧のトラブルを抱えている場合は?
もともと血圧の問題を抱えている場合、まずは体の問題を疑いましょう。
自律神経の相談をする前に、もともとのかかりつけ医に相談するのがベストです。現在血圧の関係で受診していない、自律神経失調症だけで通院しているという場合には「以前低血圧(高血圧)といわれた」と医師に伝えてください。
もともとトラブルがあるか否かで原因についての判断が異なってくる場合もありますので、ぜひ忘れずに伝えるようにしたいですね。
まとめ
自律神経失調症では、血圧をコントロールしている神経そのもののバランスが乱れているので血圧が不安定になってしまうということがあります。
一時的に高くなること、急に立った時に立ちくらみがする起立性低血圧などがよくあるトラブルです。
これらは、自律神経の働きそのものを整えなければなかなか改善しません。
もともと血圧が高い・低いなどのトラブルがあった場合には、現在のかかりつけ医に必ず報告するようにしてくださいね。