身近な人が自律神経失調症になってしまったら?そのときにはどう接したらいいのでしょうか。
今まで身近に自律神経の調子を崩してしまった人がいない場合は特にどう接したらいいのか迷ってしまうものです。
その人のためになり、ご自身も楽な気持ちでできる接し方を職場の人・彼女・友人など関係別に考えていきます。
自律神経失調症の人への接し方の基本とは?
身近な人が自律神経失調症になってしまったとき、どう接したらいいのか分からなくて困ってしまうというケースがよくあります。
それもそのはず。自律神経失調症は精神面にも症状が出ることがあるほどかなりナイーブな状態になっているのです。そんな自律神経失調症の患者さんへの接し方の基本をまとめます。
まず、話は最後までじっくりと聞きましょう。
ついつい途中で「そんなことないんじゃない?」などと口をはさみたくなることもあるでしょう。しかし、それをしてしまうと「やっぱり私がおかしいのかな?」などと自信を失ってしまって話す意欲、つまりコミュニケーションしたいという意欲がなくなってしまうこともあります。
そうならないように、相槌をうちながらうなずくなどして「あなたの話をしっかり聞いているよ」というメッセージを態度で伝えるのが肝です。
また、気晴らしにどこか行った方がいいのではないかと思われる場合もあるでしょう。しかし、本人が望んでいるのでなければなるべくゆっくりと過ごしてもらう方が回復には役立ちます。どこかに誘う場合は本人の意思を尊重する形にするのが理想です。
そして、自律神経失調症に限ったことではありませんが心身が疲れている人に言ってはいけない表現があります。
- 「頑張って」
- 「そんなこと、誰でもあるよ」
元気な人になら普通に言ってしまいそうな表現ですが、避けた方が安心です。
なぜなら、調子を崩している場合「すでに調子を崩すぐらい頑張っている」わけですし、症状を軽く見られていると感じると「自分が弱いからダメなのかな?」と落ち込ませてしまうことにもつながります。
安心させてあげようと思って「誰にでもあることだよ」と言ったことが逆効果にもなりかねないので、表現には少しだけ注意してくださいね。そうならないためには、なるべく病気の話・愚痴などをこちらから話すのは避けましょう。なるべく軽めの明るい話題がベストです。
以上が自律神経失調症の人への接し方の基本です。少し意識するだけで、だいぶ印象が違いますので心がけるとよいでしょう。
職場の人が自律神経失調症になったら?
職場の人が自律神経失調症になってしまった場合、まず病気を正しく理解することが大切です。
自律神経失調症は病気じゃない、と思っている人がいますが、実際には様々な症状が出て、日常生活や仕事もいつも通りに出来ずに、本人はかなり辛い思いをしているという状態です。そこを察してあげるのがまず大前提となります。
自律神経のバランスを崩してしまう方は、真面目で一人で抱え込んでしまいやすいタイプの方が少なくありません。なるべく、相談しやすい雰囲気を心がけましょう。
それには、笑顔が一番重要です。出勤してきて会ったら、まず明るい笑顔であいさつ。笑顔には「あなたを受け入れている」というメッセージを伝える力があります。それによって困ったことも相談しやすくなりますので、本人の負担を減らすことにもつながります。
職場の状況にもよりますが、なるべく体調が回復するまでは少し仕事量を減らせるように周りが協力することも必要です。「本当は早く帰りたい」など様々な思いがあるかもしれませんが、自律神経失調症は「あなたが明日なってもおかしくない」ものです。
困っている時はお互い様、の精神も大切にしてきたいですね。
彼女が自律神経失調症になったら?
彼女が自律神経失調症になってしまったとき、自分を責めないでくださいね。彼女のためにできることは、回復するのを温かくそばで見守ってあげることにつきます。
見守るということは、具体的にどうしたらいいのでしょうか?
まずは、とにかく彼女が話したそうならいくらでも聞いてあげること。そばでうなずいて聞いているだけで、彼女のストレスはかなり緩和されます。内容があまりないように感じる会話でも聞いてもらっているだけで安心感を与えることができるのです。
そして、一緒に過ごせる時間をなるべく増やしましょう。体調がすぐれずに外に出るのが難しい場合には、一緒に家でDVDを観たり音楽を聴いたりする「おうちデート」もいいですね。
時間的・地理的な都合であまり一緒にいられない場合には、電話・メール・LINEなどでなるべく楽しい話題を出してコミュニケーションをとってください。弱っている時こそ、他愛のない会話が心を元気にしてくれるものなのです。
友人が自律神経失調症になったら?
友人が自律神経のバランスを崩してしまったら、なるべくくつろげる環境で一緒に過ごすのがおすすめです。
親しい方ならお家にお茶とお菓子でも持って遊びに行ったりするのもよいでしょう。外に積極的に連れ出すのは、いい場合と悪い場合がありますので本人の希望が無ければ、「ちょっと顔見に来たよ」というスタンスがおすすめです。
そして、会話しているときには質問攻めにしないように注意してください。ついつい心配するあまりに色々と聞きすぎてしまうことがありますが、基本的には本人が話したくなったら話してくれればいいという姿勢を大切にしましょう。
まとめ
誰でもなりうる自律神経失調症。職場の人・彼女・友人などがなってしまった場合には、
- 話を最後までじっくり聞く
- ゆっくりと休める環境を作ってあげる
- 楽しい話題を提供する
この3つを心がけて接してみましょう。
周りの人の理解が得られることが自律神経失調症の症状を楽にして回復を助けます。
本人の意思を尊重しながらサポートしていきましょう。