症状が似ていることもある自律神経失調症とうつ。違いはどんなところにあるのでしょうか?
また自律神経とうつの関係など、自分は何の病気?と思っている方に読んでいただきたい情報をお届けします。
自律神経失調症とうつの違いは?
自律神経失調症の方で精神的に落ち込んでいるという方もいますし、うつ病の場合に体に症状が出る場合があります。
だから、症状だけをみるとあまり違いがないように感じますよね。確かに、自分でこの二つのどちらなのかということを判断するのは無理ですので、病院に行って症状を話すのが一番です。
一般的なうつ病では、精神面の症状が主なものになります。
そして、自律神経失調症の場合にはストレスが原因となっている場合も少なくありませんが体の不調がメインです。うつ病では気分の状態が一日の時間帯によって変化が起こります。
朝最も調子が悪く、昼間少し気分が落ち着く、夜は眠りにつきづらい
これがうつ病の典型的なパターンです。自律神経失調症でも気分が落ち込んだりする場合がありますが、このように時間の変化によって気分が変わるということは少ないのです。これがわかりやすい相違点です。
また、自律神経失調症とうつ病は症状は似ていても原因が違うところにあります。
自律神経失調症は、交感神経と副交感神経が適切なタイミングで適切な強さで働かないことが原因で起こっている主に体を中心とした不調のことです。
対してうつ病は、脳の中の神経伝達物質が不足することで起こると考えられています。
必要な神経伝達物質が不足することで、心と体の活動が低下してしまいます。そうなることで、無気力になったり、いわゆる元気のないうつ状態になってしまうわけです。
自律神経失調症もストレスで引き起こされることがよく知られていますが、反対に体の不調が原因で気分が落ち込んでしまったりと身体的な問題が先にくることが多いのも自律神経失調症の特徴です。
まとめると、
- 自律神経失調症は交感神経と副交感神経のバランスの乱れ
- うつ病は神経伝達物質の不足
- 症状は似ているが原因は別のところにある
一見似ていてもメカニズムに違いがあったのですね。
似ているところは?そして発症と関係があるの?
うつ病の中でも「仮面うつ病」というものがあります。これはうつ病の主な症状である精神症状があまり現れないタイプのうつ病です。
最近増えているといわれているのですが、どちらかというと身体面の症状が多いパターンです。
自律神経失調症と似たようなポイントとしては
- 食欲がわかない
- 腹痛がある
- 頭が痛い
- 下痢したり、便秘になる
- 体が重い・だるい
などが例として挙げられます。これだけ見ると一見体の病気や自律神経失調症にみえますね。
でも、本質的にはうつ病なので抗うつ剤が効果的です。
そして、この二つの関係についてですが、発症に関係がある場合もあります。よくあるパターンとしては、自律神経のバランスが先に乱れ、体の調子が悪いことがストレスになり、うつ病になるというものです。
長く自律神経のバランスを崩していたら、うつ病になっていたが、自律神経の問題だと思ってしまい治療が遅れてしまうということもありますので、精神面の症状が強いと感じたらそのことも医師に伝えてくださいね。
うつかもしれないと思ったら?
うつ病かもしれないと思ったら「適切なうつ病の治療」を受けることが必要です。うつ病は必要な神経伝達物質が足りない状態になっているので、自力で「やる気を出そう」ということが難しいです。
抗うつ剤を中心とした治療が必要です。しかも、抗うつ剤が効いてくるのには数週間かかりますので、早めに治療を始めることがポイントになります。
そして、症状がおさまった後も自己判断で薬をやめるのが厳禁など自分での治療が難しいのがうつ病の特徴です。
もしかしたらうつかもしれない?と自分で感じたり、家族や親しい人に心配されたりしたら早めに精神科の専門医を受診するようにしてくださいね。
まとめ
自律神経失調症とうつの違いは原因にあります。身体的な症状は似ている場合もありますが、うつ病の原因は神経伝達物質の不足にあります。
うつ病を自力だけで治すことは非常に困難で、早期に治療を始めることが生活を今まで通りに続けながら治していくポイントです。
もし、不安な症状があれば現在の主治医に相談するか、病院に通っていない場合には受診するようにしましょう。