パニック障害のことを親に言えない、友人にも話しづらい。でも、本当は分かってほしい。そんな風に感じたことはありませんか?
メンタルの問題はまだまだ家族や友人に相談しにくいと感じる人も少なくありません。同じ病気を抱える他の人はこの問題にどのように対処したのでしょうか。
上手な伝え方や伝えなかった人のケースなどをまとめました。
パニック障害のこと、親に言えない?
パニック障害について親に言えないという人も多く、そのことで悩むこともありますよね。
特に実家に住んでいる場合でまだ話していない、という場合は「いずれ分かってしまうのでは?」と余計な不安が増える原因にもなってしまい困りものです。また、実家を離れている場合は親に話すべきかどうかで迷うこともありますね。
親に言えないと感じている理由としては、
- 精神科で扱う病気に偏見があると思うから
- 「気の持ちよう」などと言われそうで、そうなると辛いから
- 親との関係があまりよくないから
- 実家を離れているので言わなくても大丈夫かもしれないと感じるから
これらがよく悩んでいる方の多いものです。
精神科で扱う病気については、世間の認知度はだいぶ高まってきました。誰でも精神科で扱う病気にかかる可能性があるということは親御さんもきっとご存知でしょう。しかし、「自分の子供となると話は別」という方も少なくないのです。
一般的に「育て方が悪かった」というイメージがあることがその理由になっていると考えられます。確かに精神疾患で、幼少期の接し方や虐待などが関係していることはよくあることです。しかし、すべてがそうであるということではありません。
パニック障害に至っては、明確な理由がまだ分かっていないことが多く、「親御さんが悪い」ということではないのですが、そう思い込まれてしまう場合も多いのです。
それに伴って「わが子は病気ではない」と思おうとするという事態が出てきます。そして、「気の持ちよう」というようなニュアンスの発言が出てくるわけです。これは患者さん本人にとってはとても辛いことですね。
また、親との関係が悪いことによって「親に言えない」と感じたり、実家を離れているのでわざわざ言わなくても大丈夫と感じるというケースもあります。
親との関係が悪い場合には、実家に住んでいる・いないにかかわらず、言う義務を感じる必要はありません。言いたくないことは言わなくてよいのです。関係があまりよくない場合、期待するようなサポートは得られないと思ってもよいくらいです。
参考:【パニック障害】息苦しいことが多い時の原因や対処法とは?
かえって話すことがプレッシャーになるのなら、自分で親にいうことが必要だと感じるまで無理に話さなくてよいと思っておくと楽でしょう。
友人になら言えるor言えない?
友人に相談するか否かで迷う方も多いですね。
どのようなポイントで迷ってしまうかというと、
- 偏見を持たれたくない
- 接し方が変わるのが怖い
- 重い話なので、受け止めてもらえるか不安
このあたりのポイントで「友人に話すべきか」と迷う患者さんがいます。
若い世代ではパニック障害などの精神的な病気に対する偏見はだいぶ薄まってきているのですが、「パニック障害」という名前自体初めて聞いたという人もまだまだ多いのが現状です。そこで話すことを躊躇してしまうのですね。
そして、話したことによって友人の態度が変わってしまうことに不安をおぼえる患者さんも多くいらっしゃいます。腫れ物に触るような接し方になってしまったらどうしよう、と思われるケースもよくあるのです。
やはり、ご自身で「パニック障害のことを打ち明けるのは重すぎるかな」と感じている方が多く、そこのことで友人に敬遠されてしまうことが怖いという人も多く、そのことで友人に打ち明けるハードルが上がっている模様です。
偏見についてですが、あなたのことを大切に思ってくれている友人ならさほど心配しなくてもよいでしょう。パニック障害は病気であって、人格のすべてという訳ではありませんし、人間が変わってしまったわけではないですよね。
大切に思ってくれる人なら、時間がかかっても必ず理解してくれると思ってよいでしょう。
そういう人なら、重たい話をしたからといってあなたを敬遠したり、受け止めてくれないということもありません。もし、態度が変わってしまったらショックを受けてしまうかもしれませんが、その人とはその程度の付き合いだったと諦めてよいのです。
参考:【パニック障害】お風呂に入るのが怖い!良い方法あるの?
パニック障害のことは友人に無理に話さなくても大丈夫な問題でもあります。ご自身で必要性を感じた場合に話す、と思っておいてくださいね。
他の人はどうしているの?
実はこの問題は、かなり家庭によって、また人間関係によって変わってくる問題です。
他の人は、というと難しいのですが、言わないで通す人もいれば、正直に包み隠さず話すという人もいます。
言わないで通すことのメリットとしては、「治療や生活について口出しされない」ということと、「自分が弱いから、気持ちの持ち方に問題がある」などの理解のない発言をされて気分が悪くならないということが挙げられます。
正直に話すことのメリットは、「発作が出た時に驚かせないで済む」、「周囲の理解が得られているという安心感がある」ということです。
話す、話さないは全く本人の自由です。話さない方が楽と感じれば話す必要はありませんし、話した方が気持ちが楽になると感じるのなら話せばよいといえるでしょう。
まとめ
パニック障害のことを、親に言えない・友人などの周囲に打ち明けられないと悩む方はとても多いのです。
しかし、どうしても話さなければと義務的に感じる必要はありません。
話したら楽になりそう、と感じる場合に話そうというふうに気軽に考えてみませんか?
正直なところ、まだまだパニック障害について打ち明けてもすぐに理解してもらえないこともあります。期待しすぎないで少しずつ話してみる、という方法もよいですね。