自律神経失調症で入院ってある?その場合の費用や期間・保険についてなど、入院について気になるポイントについてまとめました。
自律神経失調症も症状によっては日常生活がままならず、特に一人暮らしの場合などは不安になってしまい、ますます辛くなり症状も悪化してしまうこともありますよね。
入院したいくらい調子が悪いときの参考になれば幸いです。
自律神経失調症で入院ってあるの?
自律神経失調症で入院というとあまり耳慣れないお話かもしれません。でも、実際に入院治療したという経験のある方もいますし、まったくないという訳ではありません。
では、どんなメリットを見込んで自律神経失調症を入院で治していこうとするのでしょうか?
まず、第一に「ストレスから完全に離れる」という点がメリットとして挙げられます。日常生活を送っていると健康でも「あれもしなければ、これもしなければ」となってしまい疲れが溜まることも少なくありません。そして、体調を崩してしまう人もいるというわけです。
しかし、入院すれば日々のやらなくてはいけないことを少しの期間お休みをすることができます。それがストレスが主な原因だと考えられているタイプの自律神経失調症の場合に効果的な治療になるということなのです。
もう一つは、規則正しい生活が身に着けられるという点です。病院は起床時間も消灯時間も決まっています。自動的に早寝早起き・三度のバランスが取れた食事という理想的な生活習慣が無理せずに習慣化できるのです。
しかし、入院というと今までの生活を一時的に中断させることになってしまいます。ですから、その点でかえって不安やストレスを感じる人もいるでしょう。しかし、そのまま普通に生活を送れそうな場合には医師からも入院を勧められることはほとんどありません。
医師が今までの経験や病気に対する知識などから「これは客観的にみて入院が必要だ」と判断した場合に入院を勧められるというイメージです。
反対に自分から「入院したい」と言った場合、希望通りに入院させてもらえることはあまり多くないかもしれません。確かに入院はストレスから離れることができ、規則的な生活を取り戻すことができますが、社会から切り離されてしまう側面も否定できないからです。
参考:自律神経失調症の人の睡眠時間は?睡眠薬で気を付けることとは?
しかし、「入院したいほどつらい」と感じたら、医師にその気持ちも隠さずに相談することをおすすめします。
費用や期間はどれくらいになりそう?
自律神経失調症で入院する場合の費用は、一日あたり医療費が約25,000円程度発生し、医療費が三割負担の健康保険に加入している人の場合には一日当たりの約7,000円程度になるでしょう。
平均的には1ヶ月に少し届かない程度の入院期間という人が多いので、それを想定すると窓口での負担額は約19万円となります。
しかし、入院する前にあらかじめ入院費用が高額になることが想定されている場合「高額医療費」の「健康保険限度額適用認定申請書」という書類をあらかじめ用意することで窓口での負担を大幅に減らすことが可能になります。
この限度額というものは人によりますが、平均的な収入であれば1ヶ月近く入院した場合でも自己負担額は約80,000円程度まで抑えることが可能です。入院を勧められたら、このような手続き的なことについても病院のスタッフに聞いておくのがおすすめです。
自律神経失調症で入院する場合の期間ですが、多くは1週間以上~数か月未満といったところで数日入院するような短期間のものは考えにくいと思っておいた方がよいでしょう。
その理由としては、自律神経失調症は数日休んだら根本的に解決するといった種類の不調ではないからです。しっかりと生活習慣を整えて、ストレスから離れたり、対処できるようになったりしてはじめて体調が整ってくる種類の不調なのです。
参考:自律神経失調症の人への接し方とは?職場・彼女・友人まで
そのため期間が長くなってしまいがちな自律神経失調症の入院。入院を勧められたけれど、費用の面で気になる場合には「傷病手当」などを活用してしっかりと回復するまで休める環境を整えたいですね。
入院の場合に保険はきく?
自律神経失調症で入院した場合、健康保険が効くかどうかについてはあまり心配しなくて大丈夫です。
いつも病院にかかって治療を受けている時に健康保険が効いているように、入院しても同じように医療行為に対しては3割負担、1割負担などの率で負担が軽減されます。ただし、ベッド代・食事・その他のパジャマなどの雑費については保険の対象外になっています。
また、カウンセリングが行われる場合がありますが、保険が適用されるもの・されないものがあるので少し注意が必要です。カウンセリングの話が出た場合に、一応確認しておくと安心です。
医療保険についてですが、自律神経失調症の入院でも入院に対しての給付金などは受け取れます。ご加入の保険の日数にもよりますが、保険の約款に指定されている日数までは問題なく給付される場合が多いのでその点については心配しなくて大丈夫です。
しかし、実は自律神経失調症で通院していたのに保険に入るときの「告知」で「何も問題がないかのように」装って加入していた場合、告知義務違反となってお金がもらえないという場合もあります。
基本的に正しく告知していれば、きちんと給付金は受け取れるケースがほとんどなので心配しすぎないでくださいね。
入院を勧められた時点で、一度ご加入の保険会社に連絡しておくと安心感が得られますので、ぜひ連絡してみてください。
まとめ
自律神経失調症の患者さんの中で多数派という訳ではないのですが、入院治療を勧められるという可能性もあります。
ストレスから離れた環境で治療に専念できるのはとてもよいことなのですが、やはり期間や費用が気になるものです。
平均的には1ヶ月を少し欠ける程度の入院が多く、かかる窓口負担の金額は高額療養費の制度を使って80,000円程度になるケースが多いのですが、あらかじめ病院のソーシャルワーカーなどのスタッフに入院費用について聞いておくのが安心です。
また、健康保険は医療行為に対してはききますが、ベッド代などは実費になります。
医療保険に加入している場合、基本的には入院給付金が受け取れるケースがほとんどですが、自律神経失調症で通院していたのにそれを隠して加入した場合などは支払われない場合がありますので注意が必要です。
入院が決まったら、病院のスタッフに費用の概算を聞いておき、保険会社にもあらかじめ相談しておくと安心ですよ。