自律神経失調症のときに薬は絶対に必要?飲まないとどんな問題が出てくるのでしょうか?
そして、病院でよく処方される薬の副作用にはどのようなものがあるのでしょうか。
はじめて自律神経失調症のお薬を飲む方にも分かりやすくまとめました。
自律神経失調症は薬を飲まないと治らない?
結論からいうと、自律神経失調症は体をコントロールしている神経のバランスが崩れている状態です。そのバランスの乱れさえ治れば、症状は治まっていくでしょう。
そのバランスの乱れから、体や心にいろいろな不具合が出ているというのが自律神経失調症といわれる状態です。
つまり、薬を飲まないと治らないということはありません。でも、不快な症状を抑えるために薬を飲むことで心身ともに楽になるということが薬を飲むメリットです。
ですが、薬を飲みたくない場合でも医療機関を受診することは必須です。自律神経のトラブルだけではなく身体的な問題が隠されている場合があり、病院に行かないことで発見が遅れてしまう危険性があるからです。
ぜひ、ネットや知人の話などから「薬漬けにされたらいやだ!」という思いを抱いて病院を避けることはやめてください。
昔は、心身症や精神疾患、そして自律神経失調症などの患者さんに症状の数だけどんどん処方薬が増える・・というようなタイプの病院も確かにありました。その結果、かえって回復が遅れてしまうなどの弊害があったりもしました。
でも、現在病院や医師によっても異なりますが、なるべく副作用の少ない漢方薬を積極的に使ったり、自分の治す力と生活改善を中心に治療をしていくやり方も増えてきています。
参考:自律神経失調症の原因はストレス?ゲームのやりすぎも良くない?
自律神経失調症は薬を飲まずに治ることもありますが、自己流だけで治そうとすると、病気を見落としたり回復に時間を費やしてしまうこともあります。薬については医師によく相談するのがおすすめです。
薬を自己判断で飲まないとどうなる?
一度薬を処方された、という前提で考えてみます。
自律神経失調症の症状が精神面に強く出ている場合、抗うつ薬や抗不安薬を処方される場合があります。中には調子が良くなったからといって自己判断でやめるとかえって調子が悪くなってしまう種類の薬もあります。
たとえばセロトニンに作用するパキシルというお薬があります。うつ状態のようなときに処方されるお薬です。自律神経失調症で精神的な落ち込みが強い場合にも処方されたりします。
とても効果のあるお薬で副作用も少ないのですが、突然やめると離脱症状といってめまいや疲労感などの体調不良が起きる場合があります。それはお薬の有効成分の血中濃度が急激に下がったことが原因です。このようなお薬をやめる場合には、だんだんと医師の指示に従って量を減らしていくのが普通です。
もしお薬を飲み始めて体に合わないと感じたら、自己判断でやめずに次の受診日を待たないで病院で相談してください。面倒に感じるかもしれませんが、このお薬が合わないというトラブルで「病院が合わない」と感じて治療を途中でやめてしまう患者さんが非常に多いのです。
参考:自律神経失調症を改善する方法はコレ!ストレッチもおすすめ?
お薬を処方されたら、細かいことでもきちんと相談してコミュニケーションを図りながら治療を進めていきましょう。
薬にはどんな副作用がある?
漢方薬を処方される場合もありますが、わりと漢方薬は副作用が少なく出ないこともとても多いのが特徴です。急性的な症状でなければ、「漢方薬に興味がある」と伝えてもいいでしょう。
では、よく使われる5種類のお薬に多い副作用をまとめます。
- パキシルの副作用
吐き気と眠気が主な副作用。出ないことも多いが、突然服用をやめると離脱症状が出やすいので注意が必要です。
- ジェイゾロフト
頭痛、吐き気、眠気、下痢、震えなどの副作用。出ないことも多く、離脱症状も少なめです。
- デパス
眠気、ふらつきなどが副作用。長期・大量服薬すると依存性が心配です。必ず決められた量を守ってください。効果が薄いと感じたらすぐに相談を!
- メイラックス
眠気・ぼーっとするなどが副作用。副作用は出にくいのですが、出始めると長く続くのがネックです。
- リーゼ
副作用はかなり出にくい部類に入ります。副作用としては眠気やだるさが主な症状です。
どんなお薬にもどうしても副作用はあります。でも、「多くの人がほとんど副作用を感じない」というような副作用の弱いお薬もあります。もし副作用が辛い場合には、医師に相談すればさらに副作用の出にくい薬に変えてもらうこともできます。
不安はそのままにせずに相談してくださいね。
まとめ
自律神経失調症をまるまる治すお薬というものはありません。
でも、不快な症状を和らげてくれるよいお薬はたくさんあります。自力で治したいという気持ちもあるかもしれませんが、どうしても辛い時にはお薬の力を借りるのは決して悪いことではありません。
そして、他の病気を見落とすことのないように必ず医療機関を定期的に受診している状態で治療していきましょう。