パニック障害で朝調子が悪いと、とても辛く生活にも支障が出てしまいます。朝から学校や仕事などに行かなくてはならない人にとっては、かなり気の重い症状でもあるでしょう。
その原因と、なるべく無理なく日常の中で解消していく方法について一緒に考えていきましょう。
朝の辛さを克服して、症状を改善していく自信につなげませんか?
パニック障害で朝調子が悪いことは多い?
パニック障害で悩んでいる人の中で「朝調子が悪い」という悩みを抱える人は少なくありません。どうして朝調子が悪いという問題が出てきてしまうのでしょうか?
それには、大きく分けると二つの原因が考えられます。
- 朝気が重くなるようなことが多い(通勤・通学・人混みなど)
- 朝の自律神経の切り替わりがうまくいっていない
まず、朝に気が重くなることが多いのは、パニック障害の場合に特徴的な予期不安が関係している場合もあるでしょう。朝の通勤通学時にパニック発作を経験したり、人混みが苦手だと感じる状態になっている場合にはよくあることです。
そして、「嫌だな」や「不安だな」、「具合が悪くなったらどうしよう」という気持ちは体を緊張させてしまいます。そうすると、実際に不安に思っていた通りに具合が悪くなってしまうということもあるのです。
そうすると、余計に「やっぱり具合が悪くなった」という風に具合が悪くなった環境と発作などの不調を関連付けて考えてしまう癖がつきます。その状態がさらに悪くなってしまうと、「具合が悪くなるのが怖いから、朝電車には乗れない」などと生活に支障が出てくることもあるので注意が必要です。
もう一つの自律神経の問題についてですが、自律神経は精神的な不安や緊張とも大きく関係しています。パニック障害で朝調子が悪いことに悩んでいるということであれば、そのことを不安に思うことも多いはずです。
さらに、人間の自律神経は朝と夜で活動と休息を切り替えています。朝はまさにその時間帯。緊張や不安などで自律神経の働きそのものや切り替わりがうまくいかない状態だと、朝のだるさが辛い・起きたくても起きられないなどの状態が出てくるという訳です。
参考:パニック障害で悪夢を見ることが多くなった…どうすれば良いの?
他に原因がある場合もありますが、この二つが理由で朝調子が悪くなる人が多いと考えられます。
辛い症状を改善するには?
辛い症状を良くしていくためには、パニック発作を抑えることがまず第一です。
パニック発作は突然起こり、そしてとても苦しく死んでしまうかと思うほどの辛さなので一度起こる・繰り返し起こることによって、発作自体を恐れるようになってしまいます。誰でも辛いと分かっていることは恐ろしいと感じますよね。
そういう訳で、最初はお薬の力に頼っても構わないので「発作が起きなかった」・「普通に生活できた」ということを実感することが大切です。その上で、「必ず朝具合が悪くなるという訳ではない」、「電車に乗っても発作が起きるとは限らない」という風に考え方を修正していくのです。
このプロセスは無理をして失敗したりすると余計によくない結果になる場合もありますので、医師やカウンセラーの専門家の指導を受けながらやっていくのをおすすめします。
もう一つの朝の自律神経の切り替わりの問題についての対処は比較的自分でも治しやすい問題です。
朝上手く自律神経が切り替わるためには、夜の行動がカギになってきます。
夜遅く、お布団に入ってからもスマホをずっと見ていたりしませんか?最近の人にとても多い行動なのですが、これが夜働くべき副交感神経ではなく朝に働くべき交感神経を刺激してしまいます。
そうすると寝つきが悪くなったり、眠っているように見えてもあまりしっかりと休めていない状態にもなりかねません。それによって朝の切り替わりも上手くいかなくなることがあります。もし、この習慣がある場合には今日からでもやめましょう。
そして、夕方以降のカフェイン・寝酒も避けたいものです。これらも睡眠の質や神経の切り替わりに悪影響を与える恐れがあります。
忘れてはいけないのが、パニック障害そのものにも自律神経の問題にも共通していえることですが、しっかりと休息をとり、ストレスを解消することです。「それができたら病気になんてならないよ」と思われるかもしれませんが、こういう時こそ、自分がどうしたらストレスを解消できるのかということを知ることはとても大切なポイントになります。
上手なストレス解消が思いつかない場合には、
- 今何をしたいか?
- 不調がなかったとき、どんなことが好きだったか?
と考えてみてくださいね。
朝調子が悪くなったらどうする?
まず、朝起きることが辛い・起きられないないという場合です。
布団の中で体をどうにか動かしてみましょう。手足をこすったりするのもおすすめです。そして、目を開けたらまず窓を開けましょう。光を浴びて、新鮮な空気を吸いましょう。
どうにかして活動モードに体を切り替えて、苦手意識をなくしていくことが朝の辛さに打ち克つ秘訣です。
そして、発作についてです。発作は起きないのが一番ですが、薬を飲んでいても起きてしまうこともありますよね。
そういうときの対処法としては、
- 電車などであれば次の駅で降りて休む
- すぐに降りられない場合は、なるべくゆっくりした呼吸を心がける
- 発作は必ずおさまる、大丈夫と自分に言い聞かせる
これらがおすすめです。電車などを降りて休む可能性を考えると、いつもより余裕を持ったスケジュール設計がよいでしょう。具合が悪くなっても休める、という安心感が発作を起きにくくしてくれますよ。
まとめ
パニック障害で朝調子が悪い、という人は少なくありません。
その理由としては、
- 通勤や通学などプレッシャーに感じる予定があり、発作が不安
- 自律神経の切り替わりがうまくいっていない
というものが考えられます。
そんな辛い症状の対処法としては、
- 薬の力を借りて発作を抑え、自信を付ける
- 医師などの専門家の指導のもと、考え方の修正をする
- 発作に備えたゆとりのあるスケジュールにする
- 夜の睡眠の質を高める工夫をする
- 朝の光をしっかり浴びる
この5つがまずやっておきたいポイントとして挙げられます。
辛い朝が克服できるように、少しずつ考え方や行動を変えていきましょう。